サンフランシスコ発--2007年以降、ほとんど変化していないOSデザインに対する不満の高まりを抑えるため、Appleは大がかりな対策を講じる必要があった。同社がそれを実行したのが「iOS 7」だ。全く新たに発表されたAppleのOSアップデートは、同OSの外観を根本から刷新したほか、「iPhone」や「iPad」のファンにとって初めてとなる機能をいくつかもたらしている。例えば、迅速にアクセスできるシステムコントロール、アプリの自動アップデート、Appleの「AirDrop」ファイル共有システムなどだ。
新たなデザインは2013年秋に公開予定。タイポグラフィやカラースキームから、プラットフォーム全体で使用される象徴的なアイコンやボタンの形まで、ありとあらゆるものを変える全面刷新である。本当にすべてが変わる。「Safari」ブラウザから写真アプリまで、あらゆるものが対象だ。
iOS 7には注目に値する新機能がいくつか追加されているが、その中で飛び抜けて最も深い印象を与え、最も根本的に変更された同プラットフォームの要素は、新しいインターフェースである。Appleのほかの機能は比較的刺激に乏しいもので、競合を挑発できるような魅力はほとんどない。しかし、Appleはいくつかの重要な切り札を、次のiPhoneを大々的に発表するときのために温存しているのではないかと思える。
アイコンやアプリを皮革、紙、フェイルなどで表現したスキュアモーフィックインターフェース要素は姿を消した。さらに、アイコンに少しだけ泡のような光沢を与えていた効果も消えている。フラットなグラフィックス、そして、パステル調のカラースキームは優雅な外観を与えている。iPhoneやiPadを動かすと、壁紙がアイコンより少し奥まった位置にあるように表示される3D効果も適用されるとAppleはうたっている。
デザイン言語に円形が加わったほか、窓ガラスのようにほぼ透明に見える視覚効果も追加された。こちらのフォトレポートを見れば、何を言っているか分ってもらえると思う。深部へと及ぶあらゆるデザイン作業で最も重要なのは、スムーズで画面から画面への遷移がつながっているように感じられることだ。基調講演の後、われわれは数人のApple関係者と席をともにし、iOS 7を自分たちで確認する機会を得た。
外観全体が、至る所でこれまでと全く異なるものになっている。基調講演で目にしたアプリから、ちょっとしたインターフェース要素(アプリを開いたり閉じたりするときのアニメーション効果を伴った遷移など)まで、すべてが大きく変わった。ここで注意すべき重要なことは、見た目が完全に変わったとはいえ、中核的な機能性は概ね同じであるため、簡単に学習してすぐに使いこなせるようになるということだ。言い換えると、Safariでのブラウジングはこれまでどおり簡単である一方で、AirDrop経由での共有やスムーズなタブブラウジングインターフェースなどのツールが追加されている。
今回iOSに追加される数少ない実質的な新機能の1つが、「Control Center」だ。Control Centerによって、最も頻繁に使用する設定がようやく(そう、ようやくだ)分かりやすい場所に目立って表示されるようになった。また、同機能は、あらゆる画面からのアクセスが可能だ。iOS 7では、ディスプレイの下部から上方向にスワイプすると、Wi-Fiメーターや輝度、「Airplane」モード、音楽コントロールといったツールをすばやく呼び出すことができる。
Control Centerには小型の懐中電灯ツールも統合された。これは、非常に多くのサードパーティー製懐中電灯アプリの死を意味するものだ。
「Notification Center」のプルダウンメニューには3つのタブがある。すべてのアラートを表示するタブと、不在着信とメッセージのタブ、そして新しい「today」ペインはユーザーの予定を追跡して表示するものだ。小規模ではあるが、現行の通知プルダウンの有用な拡張である。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス