Googleは米国時間6月11日、米政府に対し、法的拘束力のある口外禁止命令を解除し、同社が米連邦捜査局(FBI)に提出を強制される情報に関する憶測や誤った報道を正せるようにしてほしいと要請した。
カリフォルニア州マウンテンビューを拠点とするGoogleは、Eric Holder米司法長官とFBIのRobert Mueller長官に宛てた「透明性」を求める公開書簡の中で、異例なまでに高まった世論の圧力をObama政権に事実上向けている。Obama米大統領は「史上最も透明な政権」であると主張しているが、批評家らからは異議が唱えられている。
Google、Apple、米Yahoo、Microsoft、Facebookなどのインターネット企業は、自社サーバに米国家安全保障局(NSA)が「直接アクセス」できるようにしているとする2件の記事が6日に報道されたことによって、打撃を受けた。しかし、7日夜には米CNETが同報道は事実ではないと報じ、The Washington Postは「PRISM」に関する同紙の元の報道を撤回した。同紙は11日付けの論説で、プロセスは法的な「基準」を満たしており、「司法審査」を受ける必要があると述べた。
しかし、ユーザーの信頼の上に成り立ち、さらに多くのデータがクラウドに保存される未来にユーザーを導こうとしているシリコンバレーの企業らにとって、プライバシーに関して根強く残る懸念は、単なる懸念にすぎないとしても消し去る必要がある。
Googleの最高法務責任者(CLO)を務めるDavid Drummond氏の署名が入った11日の書簡では、外国諜報活動偵察法(Foreign Intelligence Surveillance Act:FISA)に基づいて同社が受ける要請の件数とその範囲に関する情報を開示する権利を求めている。同書簡には次のように記されている。
われわれは常に、有効な法的要請に従う意志を明らかにしてきた。そして先週、米国家情報長官は、サービスプロバイダーが外国諜報活動偵察法(FISA)に基づく要請を受けていることを認めた。
われわれがこれらの要請に従うことによって、米政府がわれわれのユーザーのデータに自由にアクセスできるとする報道の主張はまったくの誤りである。しかし、Googleが受けるFISAに基づいた国家安全保障に関する要請の件数、および、これらの要請の対象となるアカウント数に関する政府の守秘義務によって、その憶測はさらに強まっている。
そこでわれわれは、Googleが「Transparency Report」において、FISAに基づいた開示を含む国家安全保障に関する要請の総件数(われわれが受けた件数とその範囲の両方)を公表できるようにしてほしいと依頼する。Googleによる情報公開によって、これらの要請に従うわれわれの対応が、報道によって主張されている内容とはかけ離れていることが明らかになるはずである。Googleには隠さなければならない内容は何もない。
米CNETは米司法省とFBIにコメントを求めたが、直ちに得られなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」