業務が軌道に乗っていない、あるいは失速しているのであれば、システムや習慣に巣くっている可能性のある非効率性に目を向ける時がやって来たと言えるだろう。
業務が最高の効率で遂行されていなければ、あなたは責任を全うしていないと言えるはずだ。現代のように、ネットワークへの常時接続により何にでもすぐアクセスできるのが当たり前であり、ソーシャルネットワークが主流となっている社会では、効率の悪いシステムやソフトウェアはすぐに会社の足を引っ張る存在となる。最初のうちは気付かないかもしれないが、どこかの時点で問題が首をもたげてくるのだ。
こういった事態を避けるために、会社は業務効率を最大限に高めておく必要がある。しかし、システムやソフトウェア、管理上のプラクティスが業務運営に深く織り込まれてしまっている場合、どのようにしてそれらを改善し、より効率の高い環境を築き上げられるのだろうか?以下ではそういったことを行うための10のティップスを解説する。
筆者はこれに関する過ちを何度も目にしてきている。利益が出始めると、業務を拡大すれば利益も増大すると考えるようになる。つまり利益にばかり目を向ける結果、拙速で業務を拡大しても適切なシステムや訓練が追いつかないという事実に目が行かなくなってしまうわけだ。身の丈にあった規模で業務を遂行している時には、ワークフローは適切なレベルのものとなっている。しかしあまりに事を急いで業務を拡大すると、ワークフローや、ワークフローをサポートするシステム、ワークフローを取り扱う従業員らがそれらに追いつけなくなるのである。
これに関する過ちも、筆者は目にしたことがある。さらに言えば、目にしただけでなく、自らもその犠牲になったのだった。ちょっとしたソフトウェアやハードウェアを採用するだけで、ワークフローの効率が飛躍的に改善されるというアイデアは、会社にとってしばしば魅力的なものに映る。やり手の営業担当者であれば、具体的な数値や、ユーザーの言葉を借りて人を説得するなど朝飯前だ。しかし、そういったソフトウェアが実際にあなたのニーズや従業員に適しているかどうかが営業トークから判断できるとは限らない。新たなテクノロジを検討しているのであれば、そのデモを見たうえで、購入前にテストを実施するか、従業員に使用させてみたうえで、結果として深刻な問題が引き起こされないかどうかを見極めるべきだろう。
筆者は管理者とユーザーという2つの立場を経験してきているため、このティップスが実践されなかった際にどれだけ不満が高まるのかを理解している。社内には、現場の業務について、管理者であるあなたよりもさまざまな点で熟知しているユーザーがいる。彼らは毎日、ワークフローと向き合っているのだ。彼らは、自らの作業効率を高める機会があるのであれば、効率的なツールやシステムを採用してほしいと望んでいる。テクノロジ関係の意思決定を下そうとしているのであれば、その意思決定の影響が及ぶ彼らと議論するようにしてほしい。
業務改善で一番後回しにされるものとしてコミュニケーションがある。しかしコミュニケーションが貧弱であれば、作業効率は低いものとなる。それだけだ。コミュニケーションと一口に言っても、オフィスのドアを開け放しておくという簡単なものから、コンテンツ管理システムを利用してあらゆる作業を文書化するという複雑なものまである。あなたの職務がどういったものであれ、コミュニケーションを最優先に考えてほしい。また、従業員間で気軽にコミュニケーションを行えるようになっているかどうかも確認してほしい。さらに、会社と顧客のコミュニケーションにも気を配ってほしい。コミュニケーションに問題が生じると、効率にも問題が出てくることになる。
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