自分の行動を制限するものが、自分の思考であるのなら、自分の限界を狭めてしまっているのは自分自身だということになる。それならば、自分の可能性を無限に広げられるのもまた自分自身だ。本来自身の思考は自由であるはずなのに、なぜ「そんなことは無理だ」と考えて、行動に移せなくなってしまうのか。どうすれば「自分にはできる」と考えて行動できるようになるのか。
医師である著者は、心の持ちようによって、状況はいくらでも変えられると言う。同じような症状の2人の患者の回復が、患者自身のポジティブさによって、まったく異なる結果となっていった様子など、心が病を克服するための免疫システムに影響を及ぼすことを証明するような事例や、新しい手術の技術を覚えるために努力できる医師とできない医師の例などは、非常に説得力がある。
事例を見ている限りでは、「もう少しがんばれそうなのに」「もっとポジティブに考えればいいのに」と思うかもしれないが、現実の自分を省みたとき、自分で自分の限界を決めてしまっている場面は、意外なほど多いと気づくだろう。「できない」「むりだ」といったキーワードを口に出したり考えたりしないように意識するだけでも、自分の本当の能力を発揮できるようになるのかもしれない。
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