会社員だからこそ可能な働き方がある。「会社員だから会社に縛られて自由に仕事ができない」わけでは決してない。しかし長く会社勤めをしていると、少しずつ見えなくなることがある。それが本書では「勘違い」として挙げられている。勘違いを放っておくと、辛くて不幸な会社員になってしまうかもしれない。考え方一つで、不幸な会社員と幸せな会社員との間にどれほどの違いが生まれることか。
著者は自由な働き方をしている代表のような人物だが、だからと言って、むやみに独立を勧めているわけではない。会社員としての働き方が自分に合っていて、その方が力を発揮できて幸せだという人もたくさんいるのに、仕事に追われて自由がなく、愚痴をこぼすばかりの毎日を送ってしまっている会社員も多くいることに着目しているのだ。
会社がなんとかしてくれる、という会社に依存する気持ちで働き続けていては、万が一会社がなくなってしまった時にどうしようもなくなる。そのことを危惧している。
どのような立場で働こうとも、結局のところ自分の心がけ次第で不幸にも幸福にもなる。ただ会社の中だけを見ていると、自分がどのような状態にあるのかを客観的に見ることが難しくなる。そこで本書のような視点で書かれた本を使って、時々自分を見つめ直すことは、今後の働き方を考える上でも役に立つに違いない。
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