サンフランシスコ発--Appleは米国時間6月10日、「Safari」ブラウザの新バージョンを発表した。同社によると、このバージョンではページ描画の大幅な高速化と、セキュリティの強化を実現しており、同一サイト上の複数記事が容易に閲覧できるようになるという。
Safari 7へのアップデートにより、「Keychain」と呼ばれる「OS X」のパスワード管理ツールとのより緊密な統合が実現された。「iCloud Keychain」は、2012年にSafariに導入された「iCloud」とのブラウザ同期機能を活用し、新規パスワードを自動的に提示する暗号化パスワード生成ツールである。AppleのMacソフトウェアエンジニアリングの責任者であるCraig Federighi氏によると、iCloud Keychainにはウェブサイトへのログイン情報に加えて、クレジットカード番号、アカウント情報、Wi-Fiネットワークへのパスワードといったものも格納できるという。
Safari 7では「Top Sites」ページにも変更が加えられており、ブックマークやリーディングリスト、「共有リンク」を含められるようになった。また、リーディングリストのアップデートにより、ユーザーが記事を最後までスクロールした際に、次の記事がシームレスにロードされるようになっている。さらに共有リンクによって、Twitterのようなソーシャルネットワークへの投稿がより容易になっている。なお、Facebookがパートナーに入っていなかったのは、Appleと同社の関係が冷え込んできていることを示しているのかもしれない。
Safariに搭載されている新しい「Nitro JavaScript」エンジンによって、実行時(JIT)のレンダリングが可能になり、実行速度が高速化されている。また、ブラウザのタブごとにプロセスが分割されるようになったため、いずれかのタブがクラッシュしてもブラウザがクラッシュしないようになった。その他の最適化として、共有メモリリソースキャッシュや、バックグラウンドタブの最適化、タブ単位の電源管理の効率化といったものがある。このため、ユーザーはより多くのタブを同時にオープンできるようになり「システム上でさらに多くの作業が可能になる」(Federighi氏)という。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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