音楽レーベルや音楽出版社との1年以上にわたる交渉を経て、Appleは米国時間6月10日、サンフランシスコで開催中の「Worldwide Developers Conference(WWDC)」において、うわさされていた無料ストリーミングラジオサービス「iTunes Radio」を発表した。
「われわれがこれまで開発した中で最高の音楽プレーヤーだ」と、Appleの「iTunes」を統括するEddy Cue氏は同サービスを披露した。
iTunes Radioが競合相手として最も照準を合わせているのは「Pandora」だ。Pandoraは月間アクティブリスナーが7000万人を超えるが、米国、オーストラリア、ニュージーランドでしか利用できない。iTunes Radioは2013年秋に米国でサービスを開始する予定だが、Cue氏によると他国でもその後すぐに提供を開始するという。
iTunes Radioは広告支援型だが、Appleが提供する年額24.99ドルのクラウド型音楽ライブラリ「iTunes Match」の登録ユーザーは広告なしで利用できる。iTunes Radioは「iOS 7」「iPhone」「iPod touch」「Apple TV」、および「Mac」とPC向け「iTunes」に組み込まれる。Appleの音楽チームが用意した200局が登録されているほか、「Twitter」で話題になっている音楽もチェックできる。さらに、iTunes Radioはユーザーが使えば使うほどよくなる(よりパーソナライズ化される)ように作られている。
この新サービスをもって、Appleは競合ひしめく市場に参入する。Pandoraをはじめ「Spotify」や「Deezer」などのサービスからなるストリーミング音楽市場は、いつでもどこでも音楽にアクセスしたいという人々の需要に応え、レコード音楽産業において最も急成長を遂げている分野となっている。
iTunes Radio発表に至るまでの数週間、Appleは契約の締結に力を注いでいた。長らく2013年夏のサービス開始を目指していたCue氏のチームは、ようやく7日に大手のレーベルや出版社との契約合意にこぎつけたばかりだ。
一方、Googleは5月に開催した開発者向けカンファレンスで、Spotifyのようなサブスクリプション型音楽サービス「Google Play Music All Access」を発表した。同社はまた、若者が音楽を聴くときに利用する主要サービスとなっている「YouTube」に連携した音楽サービスの開発にも取り組んでいる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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