ニューヨーク発--Appleは米国時間6月6日、電子書籍の価格操作めぐる裁判でGoogleを手玉に取った。
Appleは、Googleの重要参考人に執拗かつ矢継早な質問を浴びせることで、Appleが電子書籍の価格吊り上げを企てたとする米司法省(DOJ)側の主張を切り崩しに掛かった。
Apple側の主任弁護士であるOrin Snyder氏にとって、この戦術は功を奏した。同氏は、Googleの戦略的関係担当ディレクターを務めるThomas Turvey氏に根負けさせるべく、質問攻めを開始した。Turvey氏は、午後の審理が進むにつれてますます消耗し、苛立ちを募らせていたように思えた。
Turvey氏は証言の中で、同氏がどの出版社幹部と話をしたのか、あるいはそうした会話が行われた状況や、何らかの有益な情報を思い出せないことを認めた。同氏は、具体的な事はほとんど話さず、自身の宣誓書の内容を繰り返した。
Appleが最大のライバルの1つであるGoogleと対決したこの日、Appleの弁護士はこのチャンスを十分に利用した。Appleにとって、Turvey氏の証言に疑問を呈するとともに、同氏を信頼できない人物であると説明することは不可欠であった。なぜなら、DOJの訴えは、結果的に電子書籍の価格の引き上げにつながるモデルの採用をAppleから強いられたと出版社側がTurvey氏に話したとする、同氏の主張に部分的に基づいているためだ。同時に、Google側の証言の矛盾を突くことで、DOJの訴えを説得力のないものにした。
DOJは、Appleが出版社に対し、従来の卸売事業から脱却して出版社自らが価格を設定するエージェンシーモデルの導入を強制したと主張している。通常、卸売モデルは消費者により低価格で提供できる。
Turvey氏は、法廷に提出した宣誓書に書かれたコメントを繰り返し、「私が出版社側から聞いた話では、Appleとの契約で認められていないため、卸売を条件にした事業を行うことができないということだった」ことを何度も証言した。
しかし、Snyder氏は、Turvey氏の記憶と、同氏の書面による証言の文言に疑問を投げかけることに努めた。そうした中、Snyder氏は、宣誓書の特定部分を記述したのがTurvey氏なのか、あるいは同氏の弁護士なのかについて、Turvey氏自身が把握していないことを認めさせた。
Googleの証言がDOJにとって重要な理由は、今回の裁判で先に証言した出版各社があまり役立つ証言を行っていないからだ。Simon & Schusterの最高経営責任者(CEO)であるCarolyn Reidy氏は5日、同社が新たな販売モデルへと切り替えた理由が、自社がそうしたいと考えたからであり、Appleから強制されたためではないと証言している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
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