上院議員や専門家が数時間にわたって次から次へと登場し、Appleは租税回避企業だと説明するのをやきもきしながら黙って聞いていた最高経営責任者(CEO)のTim Cook氏は、Appleは堅実な企業市民だと感情を込めて擁護した。
Cook氏は米国時間5月21日、米上院常設調査小委員会に対して、「Appleは米国で最大の法人税納税者になっている」と述べた。同社は2012年、米財務省に約60億ドルを現金で納めており、それは1日当たり1600万ドル以上に相当する、と同氏は付け加えた。
Appleは「納めるべき税金を最後の1ドルまで」支払っている、と同氏は述べた。
Cook氏は、Appleが租税回避策を講じていることも否定した。同氏は、「われわれはカリブ海の島にお金を隠したりはしていない」と述べた。
これは、公聴会でそれまでに複数の人々が行ったいくつかの発言に対する反論だ。公聴会は、民主党議員と共和党議員の両方による、Appleの租税回避策に対する厳しい批判で幕を開けた。議会調査官は20日、Appleが海外の子会社のネットワークを利用して、数十億ドルの納税を回避したと述べていた。
Cook氏(何度か声がうわずっているように思えた)は、同社は愛国的な企業であり、米国の雇用拡大に貢献していると激情を込めて説明し、John F. Kennedy元大統領の「to whom much is given, much is required(多くを与えられた者には多くが要求される)」という発言まで引用した。
同社の最高財務責任者(CFO)兼シニアバイスプレジデントであるPeter Oppenheimer氏はCook氏を擁護し、上院議員たちに対して、Appleのやり方をさらに詳しく説明した。同氏は、Appleが「あらゆる法律と規則を完全に遵守」していると述べた。
質疑応答が進むにつれて、別の場で同じくKennedy元大統領の発言を引用して法人税回避を非難した同小委員会委員長のCarl Levin上院議員(ミシガン州選出の民主党議員)の論調が激しくなった。Levin上院議員はその後、Appleのアイルランドの子会社Apple Operations International(AOI)と同社が支払った法人税額に関する詳細について、Apple関係者たちを厳しく追及した。
その後、Cook氏とJohn McCain上院議員が、Appleのアイルランド子会社の趣旨をめぐって長時間にわたる討論を繰り広げ、McCain上院議員はAOIが租税回避策として利用されていると示唆した。Cook氏はそれに反論し、AOIは「ほかの法域で既に課税された現金を効率的に管理する手段にすぎない」と説明した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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