Appleの最高経営責任者(CEO)であるTim Cook氏の米上院常設調査小委員会における証言を翌日に控えた米国時間5月20日、同小委員会は、技術大手である同社が米国で支払うべき税金を逃れていると考える理由について、詳細にまとめた報告書を公開した。
同報告書は、「Appleは米国におけるサクセスストーリーである」と記している。「今日、Apple Inc.は、1020億ドル以上を海外において現金、現金同等物、市場性のある有価証券(現金)の形で保持している。Apple幹部は、特に法人税率の引き下げや税法の簡素化などのより好ましい環境がない限り、これら資金を米国に戻す意志がないことを小委員会に述べている」(同報告書)
Carl Levin上院議員とJohn McCain上院議員が率いる同小委員会は、Appleの租税回避策に関して長期にわたる調査を実施している。同社は成功を収めたことで詮索の的となった。保有現金は1450億ドルにものぼるが、そのうち1000億ドル以上は米国外で保管されている。これらの現金を米国に持ち込もうとすると、Appleは最大35%の法人税率に直面する。
同小委員会は、報告書において、Appleが自らをどこにも属していないように見せるための会社組織を数カ国で構築していることに言及している。これにより同社は、海外における売上高に対してほとんどもしくは全く法人税を支払わずに済ませている。事実、Appleの子会社の1つであるApple Operations Internationalは、2009年から2012年までに296億ドルの利益があったが、過去5年間における法人税の支払いはない、と米上院委員会は述べている。
Appleは「さまざまな海外組織、手はず、取引を使うことで、多額の利益を米国からアイルランドへ移している。アイルランドにおいてAppleは、2%以下という特別な法人税率を取り決めてもらっている」と報告書は述べている。「より通常とは異なるAppleの戦略の1つは、多額の資金を作り出して、どの法域の課税対象にもなっていない海外拠点に移すというものだ」(同報告書)
Appleも20日、米議会に21日に提出する予定の証言原稿全文を公開し、同社が法人税をどこでどのように支払っているかについて詳細を明らかにしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
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