Appleは米国時間5月20日、米議会に21日に提出する予定の証言原稿全文を公開し、同社が法人税をどこでどのように支払っているかについて詳細を明らかにした。
17ページに及ぶこの文書は、Appleの最高経営責任者(CEO)であるTim Cook氏が上院常設調査小委員会で予定している証言を翌日に控えたタイミングで公開された。同委員会は、ハイテク企業によるさまざまな税金逃れ戦略を調査している。
Appleは証言の中で自らを雇用創出者としてアピールしているほか、2012年は米国最大の法人納税者となった可能性が高く、60億ドル「近く」を支払ったと指摘している。
Appleは声明で、「これらの納付額は、米財務省が昨年徴収した法人税40ドルにつき1ドルを占める」と述べた。
今回の文書には、米国に法人税制を簡素化する余地があるというAppleの見解についても概要がまとめられており、そこでは、法人税率の引き下げや法人に対する租税特別措置の全廃、企業が海外で得た利益を米国に持ち込む際に適用される「海外での利益に対する合理的な税」の導入などが提言されている。
「Appleは、こうした包括的な改革が経済成長を刺激すると考えている」と同社は述べ、「それによってAppleはさらに多くの米国法人税を支払うことになるだろう」と指摘している。
Appleは成功を収めたことで詮索の的となった。保有現金は1450億ドルにものぼるが、そのうち1000億ドル以上は米国外で保管されている。これらの現金を米国に持ち込もうとすると、Appleは最大35%の法人税率に直面する。この問題を一部でも解決するため、同社は先ごろ170億ドル規模の社債発行計画の一環として負債を抱えたが、これによって92億ドルほどを節税できると見込まれている。
Cook氏は先ごろ、The Washington PostやPOLITICOといったメディアのインタビューに応じ、21日に提出する予定の情報について一部を語った。これらのインタビューの中でCook氏は、同社には「ワシントンでの大きな存在感」はないが、「創造的な政策は、よりよい社会を築き、経済を強化するための大きなきっかけになり得る」と指摘した。
Appleは、上院常設調査小委員会が調査している企業の1社にすぎない。2012年9月には、同委員会がMicrosoftおよびHewlett-Packard(HP)と接触している。21日の公聴会にはCook氏のほか、Appleの最高財務責任者(CFO)を務めるPeter Oppenheimer氏と同社の税務処理責任者であるPhillip Bullock氏が出席する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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