「Google+」のサービス開始から2年近くたって、Googleのソーシャル戦略はより真剣で、計算された手段になってきているようだ。同社はそのソーシャルネットワークを、デスクトップとモバイル(「Android」と「iOS」)に散在した人間関係をつなぎ合わせる基本的な仕組みにしようとしている。
Googleは米国時間5月15日、サンフランシスコで開催された開発者向け年次カンファレンス「Google I/O」で、同社のソーシャルネットワークであるGoogle+の41種類の新機能を発表した。その中には、Pinterest風の外観や関連ハッシュタグの自動生成機能、写真オプションの「Auto Awesome」、そしてメッセージングエクスペリエンスの効率化などが含まれている。
ストリームの表面的な変更や写真に関する派手な拡張機能といったものよりも重要なのは、同社が同時に発表した、開発者とユーザーの両方にとって使いやすい、Google+をAndroidやiOSと接続する機能だ。「Google+ Sing-In」や、Google+の「Circles」とAndroidゲームをつなぐAPIのような新機能は、つまらないものに聞こえるかもしれない。しかし、これによってGoogle+は、膨大な数のスマートフォンやタブレット上での新たな公式のアイデンティティレイヤになる。
クロスプラットフォームのシングルサインオンによって、Google+ Sign-Inは、モバイルアプリにログインする手間を省いてくれる。ウェブでGoogle+にサインインして、対応Androidアプリを自分のタブレットやスマートフォンに自動ダウンロードするように選択した場合、そのアプリを開くと既にログイン済みとなり、前回中断したところから始められる。アカウントを作成したり、ユーザー名やパスワードを記憶したりする必要はない。Google+が面倒を見てくれる。
これまでにも、人々は選択肢を与えられた場合、Googleでログインするのを選ぶというだろうという初期的な兆候はある。ユーザー管理サービスを提供するJanrainによれば、2013年の第1四半期、Googleのソーシャルログインオプションは、2番目に人気のあるログインオプションで、ソーシャルログインの34%のシェアを占めていたという。一方、Facebookは同四半期にソーシャルログインの46%を占めた。
Googleが、ウェブやモバイル上のお気に入りのアプリに簡単にサインインできるようにすればするほど、ログインオプションとしてFacebookよりもGoogle+が選ばれる可能性は高くなる。
ここで、新しい「Google Play」ゲームサービスのメリットのいくつかを付け加えたい。新しいGoogle Playでは、開発者がGoogle+のCirclesを利用して、スコアボードを作成したり、複数プレーヤーによるゲームをサポートしたりできるようになった。またGoogle+はユーザーに、アプリによる体験を向上させる魅力的な方法を与える。このツールはAndroidとiOSの両方のアプリメーカーが利用できる。それはつまり、スコアボードや複数プレーヤーのオプションによって、モバイルゲームのプレーヤーを違うOSで同じアプリを使う友人とつなぐことができるということだ。
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