ファストメディアは4月23日、ヤフー株式会社の投資子会社であるYJキャピタルが運営するファンドを引受先として、約3000万円の第三者割当増資を実施したことを明らかにした。今回の増資を受けて、YJキャピタル取締役の小澤隆生氏がファストメディアの社外取締役に就任する。
また、増資の発表にあわせて、ファストメディアはこれまで一部のユーザに向けてのみ提供してきたiOS向けのネイティブアプリ作成サービス「Yappli(ヤプリ)」の提供を本格化する。
Yappliは、専用のCMS上でドラッグアンドドロップと画像のアップロード、テキストの入力といった簡単な操作だけで、ネイティブコードで書かれたスマートフォンアプリを作成し、App Storeへの申請までを行えるサービス。現在iOSにのみ対応するが、今夏にAndroidにも対応する予定。作成できるアプリは主にカタログやキャンペーンに向けたものとなる。
FacebookやTwitterのフィード配信や画像の表示のほか、Passbookに対応したクーポンの発行やGPSの位置情報をもとに、特定のエリアに入った際にプッシュ通知を行う「ジオプッシュ」なども備える。専用のプレビュー用アプリをApp Storeからダウンロードすれば、CMSで作成しているアプリをiPhoneの実機でリアルタイムにテストできる。今後は電子書籍の閲覧機能や、アプリ内課金機能なども用意する。
すでにスノーボードブランドBurtonの「キャンペーン用アプリ」や、タレントの益若つばささんが手がけるECサイト「つばコレ」のモバイルECアプリに採用されており、今後も企業での採用が決まっているという。
ファストメディアは代表取締役の庵原保文氏をはじめ、3人のメンバーがいずれもヤフーの出身。2011年3月頃からプライベートの時間を利用したプロジェクトとしてiPhoneアプリを提供するなどしてきたが、試験的なサービス提供を経て、2013年4月から事業を展開するに至った。
「品質の悪いアプリを量産するツールにならないよう心がけた」——庵原氏はYappliについて、このように語る。キャンペーンやカタログ向けのアプリである以上、有名人やブランドのファン向けアプリを作成することが想定されているYappli。ファン、つまりエンゲージメントの高いユーザーだからこそ快適にアプリを操作できるよう、スクロールの質感やサクサクした操作感にはこだわったという。
サービスの料金は月額1万9800円から。サポートやプッシュ通知の回数などにあわせて複数の料金プランを用意する。現在、サイト上の問い合わせからのみ受け付けているが、今後は代理店経由での販売、サイト上からの直販を進めていく。
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