Microsoftは、機能と価格の両方で「Amazon Web Services(AWS)」と真っ向から勝負する準備が整ったと世界に知らしめようとしている。
Microsoftは米国時間4月16日、かねて明らかにしていた通り「Windows Azure」上でLinuxと「Windows Server」の仮想マシンを実行できる機能が一般提供され、利用可能になったと発表した。これらは、同社が2012年6月に公式に発表したパーシステント(永続)型の仮想マシンであり、ユーザーはこうした仮想マシンを使うことで、既存のLinuxやWindows Serverのアプリケーションを全体的に書き直すことなくAzureクラウド上で稼働させられるようになる。
Microsoftは2012年、このようなパーシステント型の仮想マシンにより、ユーザーは「Windows Server 2008 R2」や「Windows Server 2012」「openSUSE 12.1」「CentOS 6.2」「Ubuntu 12.04」「SUSE Linux Enterprise Server 11 SP2」、およびこれら各種のWindows ServerやLinux向けにビルドされたアプリケーションをAzure上で稼働させられるようになると発表していた。
そしてMicrosoftは16日、高負荷作業を抱えるユーザーのために、Azureの仮想マシンのラインアップを拡充した。また、「SQL Server」や「SharePoint Server」「BizTalk Server」「Dynamics NAV」を含め、Azure上でユーザーが稼働させたいと考えるであろう一般的なWindowsアプリケーションのために、同社が認証したインスタンスを仮想マシンの選択肢として加えようとしている。
さらにMicrosoftは16日付で「Windows Azure Virtual Network」テクノロジ(開発コード名:「Brooklyn」)の一般提供を開始した。Windows Azure Virtual Networkは、企業ユーザーが自社のネットワークとAzureとの間をセキュアなIPsec VPNで接続可能にすることで、自社ネットワークの拡張を可能にするというものである。その目的は、ユーザーが社内システムとクラウド上のシステムを連携させたハイブリッド型のシステムを実現できるようにするというものだ。
価格面に目を向けると、Microsoftは16日、コンピュートやストレージ、帯域幅といったAWSの「コモディティ」サービスと価格面で対抗できるようにすると公式に約束した。この約束の一環として、仮想マシンやクラウドサービスの通常価格を21~33%値下げするという。
こうした値下げの適用を受けるには、Azureの月単位契約を6カ月または12カ月という期間で締結する必要がある。
一方、Amazonは先週、AWSの複数のサービスをまた値下げすると発表したばかりである。MicrosoftとAmazonは何カ月にもわたって、クラウドの値下げ競争を繰り広げている。
Microsoftの新価格は、6月1日から適用される。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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