市場調査会社のIDCは先週、世界PC販売台数が四半期ベースで13.9%も減少したことを発表した。同社はその原因の多くが、Microsoftの新OS「Windows 8」でユーザーインターフェースが「極端に」変更されたことにあると指摘している。
IDCのクライアントおよびディスプレイ担当プログラムバイスプレジデントであるBob O'Donnell氏は声明のなかで、「PC市場を再び活性化させたいなら、Microsoftは今後、非常に厳しい決断を下さなければならないだろう」と述べた。
そこにMicrosoftにとっての根本的な問題がある。実のところ、同社には「プランB」、つまり、代替計画がない。
IDCは、PC販売減少の根幹にあるのはWindows 8の新しいルックアンドフィールだとしているが、Microsoftがそれを元に戻すのは不可能だ。Microsoftのエンジニアリングおよびテスティングチームが好調でも、新OSの開発に3年はかかる。
現在のところ、Microsoftは忍耐を強く求めているようだ。同社はWindows 8発売後の数カ月で、同OSのライセンスを6000万件販売したことを指摘した。また、ハードウェアパートナー各社から数カ月以内に、消費者の関心を引く新しいWindows 8デバイスが発表されることを示唆している。
同社の広報担当者は次のように述べた。「PC市場は進化しており、非常に動的だ。現在のPCにはさまざまな形態のものがある。高度なモバイル性を備え、完全なPCのように機能するWindows 8タブレットから、バッテリが長時間持続するコンバーチブルノートPC、デスクトップPCに革命をもたらすマルチタッチ対応オールインワンまで、多種多様だ。われわれはパートナーと協力して、タブレットとPCの市場にさらに多くの革新をもたらし続けていく」
Microsoftは実質的にWindows 8への取り組みを強化している。魅力的な新デバイスがいくつか登場し(特にMicrosoft自身の「Surface」タブレット)、レビュアーから高評価を得てきた。Microsoftにとっての問題は、消費者が関心を抱いていないように思えることだ。
Windows 8は、PC販売全体に吹く逆風の悪影響を受けてきた。IDCによると、第1四半期はApple製コンピュータの出荷台数も7.5%減少したという(ただし、競合の市場調査会社Gartnerは、Macの第1四半期における販売台数は7.4%増加したとしている)。企業と消費者は、既存のコンピュータをこれまでよりも長く使うことに前向きで、テクノロジ予算をPCではなくスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスに使いたいようだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」