「Windows」を支える強大な勢力として、長きにわたってテクノロジ分野を支配してきたMicrosoftの影響力は、消費者がマルチデバイスの世界へ移行するにしたがって、低下し続けている。消費者がPCを欲しがらなくなったわけではない。2013年には、世界で3億台以上のPCが販売されるとみられている。しかし、MicrosoftがAppleとGoogleの両社に敗北したスマートフォンとタブレットが多くのタスクをPCより効果的に処理できることを、消費者は実感し続けている。
それが意味するのは、Microsoftと同社の長年のパートナーであるIntelが何十年にもわたって必死に画策してきた「計画的な陳腐化」が消え去ろうとしていることだ。オンラインで実行されるアプリケーションが増え、小型デバイスで処理される消費者のタスクが増加するにつれて、PCをアップグレードする理由は弱まった。
ForresterのアナリストであるTed Schadler氏は、「人々が新しいコンピュータを購入するのは、単に新しいコンピュータが欲しいときか、古いものに耐えられなくなったときだ。平均的な買い替えサイクルは、家庭では4年でなく6年、企業では3年でなく4年なのかもしれない」と書いている。
こうしたことはMicrosoftにとってどれも良い兆候ではない。同社は現在、米国時間4月18日の2013会計年度第3四半期決算発表に向けて準備を進めているところだ。ウォール街で最も経験豊富なMicrosoftアナリストの1人である野村證券アナリストのRick Sherlund氏は、IDCとGartnerが先週、PC販売の減少を発表したことを受けて、Microsoft株に対する評価を「買い」から「ニュートラル」へ引き下げた。Sherlund氏はその理由として、「Windows 8の普及が遅々として進まないことと、魅力的な新ハードウェアの不在」を挙げた。
Microsoftと同様、Sherlund氏も2013年に登場する新しいデバイスが安心感をもたらすかもしれないと考えている。同氏は、バッテリ持続時間を延長するIntelの次期プロセッサ「Haswell」を挙げ、同プロセッサが消費者のノートPCアップグレードを促す可能性があると述べた。しかし、Sherlund氏さえもいくらかの不確実性があることを認めており、株主に対して、「状況を観察し、後半が近づいてきたころにアップグレードサイクルを再評価する」よう助言した。
もちろん、Microsoftと同社のハードウェアパートナーにそのような選択肢はない。そして、PC事業に新たな息吹を吹き込むはずだったWindows 8は、これまでのところそのことで苦戦しているようだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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