知的財産訴訟の経験が豊富なMicrosoftは米国時間3月28日、同社の保有する4万785件の特許の完全なポートフォリオを誰でも検索できるウェブツールを公開した。
同社のゼネラルカウンセルであるBrad Smith氏によると、このツールの狙いは、透明性を高めることにより、それがなければMicrosoftの特許を無許可で違法に使用してしまうかもしれない人々に、Microsoftがどのような知的財産を保有しているか確認する手段を提供することだという。
Smith氏はブログ投稿の中で、「特許制度の基本的な目的の1つは、発明に関する公示を行うことだ。それには、発明物の特徴だけでなく、誰がその特許を保有しているのかという情報も含まれる」と述べている。
さらに、Smith氏によると、Microsoftは、ほかの特許保有者が自分たちの保有する知的財産を同じように開示することも望んでいるという。すべての特許保有情報を広範に検索することが可能になれば、製品の発売後に企業を知的財産侵害で訴える特許トロールによる特許制度の悪用を抑制できるだろう。
「特許保有に関する透明性は、上手く機能する二次市場を形成するのではなく待ち伏せをして企業に『大金を要求』しようとする企業による、違反すれすれの巧妙な手口を防止するのに寄与するだろう」(Smith氏)
「Patent Tracker」と名付けられたこの新しいウェブサイトは、特許番号、特許名、国、保有者がMicrosoftか子会社か、などの条件でMicrosoftの特許を検索できるツールをユーザーに提供する。ユーザーは完全なリストを含むCSVファイルをダウンロードすることもできる(同サイトは公開直後にアクセス不能になり、ユーザーの要求したページが見つからないという旨のメッセージが表示されていた)。
特許訴訟を減らすことはMicrosoftにとって非常に大きな課題だ。同社は多数の特許を保有しているだけでなく、特許訴訟の標的になることもよくある。同社は訴訟から身を守るため、大金を投じて特許を買収してきた。そして、同社は現在も係争中のMotorolaとの特許訴訟などのために、訴訟費用を計上し続けている。
特許制度を改善するために独自の手段を講じているのは、Microsoftだけではない。ライバルのGoogleは28日、特定の特許に基づくオープンソースソフトウェアのいかなるユーザー、販売業者、開発者に対しても、相手側に先に提訴された場合を除き、提訴しないとする誓約を公開した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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