UPDATE 新しい最高経営責任者(CEO)であるMarissa Mayer氏の下、買収を推進する米Yahooは米国時間3月25日、ニュース要約アプリ「Summly」を買収すると発表した。
Yahooは25日、モバイルおよび新製品担当シニアバイスプレジデントを務めるAdam Cahan氏によるブログの投稿でこの買収を発表した。Summlyは、ニュース記事から関連情報を抽出するアルゴリズムを使用して、記事全体へのリンクを残しつつ、「iPhone」の1画面に収まる簡潔な文章に変換するアプリである。10代のNick D'Aloisio氏が開発した同アプリは、CliffsNotesのニュース版のようなものである。
Summlyアプリは閉鎖されるが、「Yahooのモバイルエクスペリエンスを通して、近い将来登場する」予定だとCahan氏は述べた。D'Aloisio氏とそのチームは、数週間のうちにYahooに加わる予定で、買収は2013年第2四半期に完了する見込み。
「携帯端末は、愛する人々、経験、興味とわれわれが関わり合う手段の中心にある」とCahan氏は述べた。「Yahoo全体にわたってわれわれは、人々が毎日楽しく使用する美しいエクスペリエンス、つまり、ひらめきと喜びを与える製品を創造することに注力している。NickやSummlyのチームとともにその作業に取り組むことを待ち遠しく思っている」(Cahan氏)
YahooはSummlyの買収金額を公表していないが、AllThingsDは、Yahooが3000万ドルを、90%を現金、10%を株式で支払ったと報じている。AllThingsDが指摘しているように、Summlyは提供開始以来のダウンロード総数が100万件に満たず、また、収益化に向けた明確な計画がないことを考えると、その買収金額はかなり高額であるといえる。
米CNETは、詳細な情報を確認するため、YahooとSummlyに連絡を取っているが、本稿執筆時点で回答は得られていない。
D'Aloisio氏のアプリは当初、ウェブページ内の情報を要約する「Trimit」というものだった。同氏は2011年、15歳のときに、学業のために確認する必要のある、膨大な量の情報をくまなく調査するためのツールとしてTrimitを作成した。その直後に、香港の大富豪で、Horizon Venturesの創設者兼会長であるLi Ka-shing氏が、D'Aloisio氏の企業に25万ドルを出資し、Summlyが登場した。
その後Summlyは、Ashton Kutcherさん、オノ・ヨーコさん、Lady GagaさんのビジネスマネージャーであるTroy Carter氏といった有名人や、AirBnBのCEOであるBrian Chesky氏、JawboneのCEOであるHosain Rahman氏、ZyngaのCEOのMark Pincus氏といったテクノロジ業界の著名人らの関心を集め、出資を受けた。このような個人投資家らによるSummlyへの出資総額は、100万ドルにのぼる。
D'Aloisio氏は自身の投稿で、YahooとSummlyは「最適な組み合わせ」と述べている。
「Yahoo内でいくらかの時間を過ごした結果、Yahooが人々の日課を楽しく有意義なものにするという心に響く目標を掲げており、モバイルがそのビジョンの中心的な要素になることがわかった」とD'Aloisio氏は記している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス