サムスンはハイテク腕時計の開発を進めていることを明らかにした。おそらくはスマートフォンの機能を詰め込んだものだろう。そうなると、2013年はスマートウォッチ戦争の年となる可能性がある。戦いの中心となるのは、長年のライバルであるAppleとサムスンだ。
ウォール街のアナリストによれば、その動機は、スマートフォンの販売が既に減速している中で、そうした大企業が新たな目玉となるものを必要としていることがある。スマートウォッチが目玉になる可能性はあるだろうか。それは大胆な試みに聞こえる。多くの人々は既に腕時計を着けるのをやめて、携帯電話を代わりに使っている。そしてスマートフォンの画面が今まで以上に大きくなっている時に、腕に着ける端末に制約があるのは明らかだ。
しかし、サムスンはこの戦いに備えていることを公に認めた。Appleは、カリフォルニア州クパチーノには「iWatch」あるいは別の何らかの名で呼ばれるスマートウォッチの開発チームがある、というおびただしい数の報道にも無言を貫いている。一方で、新興メーカーのPebbleは既に大きなファン層を獲得しており、アプリを搭載し、スマートフォンとつながった腕時計には、確かに熱心なユーザーがいることを示している。
しかしサムスンにとって、これは新しい分野ではない。サムスンの歴史をさかのぼって、勢いが良かった1999年まで戻れば、サムスンが既にディック・トレイシー(米国の人気漫画のキャラクター)が使うようなデバイスを発表していたことが分かるだろう。なぜそれを発売したのだろうか。携帯電話市場が「飽和していた」からだ。
以下は、サムスンが同社初の腕時計型携帯電話「SPH-WP10」について米国内で公開したプレスリリースだ。
SPH-WP10は、ほぼ飽和状態にある国内携帯電話市場に対応することを目的とした、市場細分化戦略の一環として、サムスンが初めて開発した製品である。この新製品は、携帯通信サービスのユーザーのうち、特定の世代をターゲットとした、国内メーカーによる新しいマーケティングアプローチを示すものだ。
プレスリリースの最後では、「サムスンは、新しい腕時計型携帯電話が若者向け市場でのヒット製品になることを期待している」と書いている。
90分の通話時間と、空港の保安検査を通るときに追加の所持品検査を求められそうなデザイン、そして700ドルという価格のため、当然ながらSPH-WP10が世界を(あるいは若者向け市場を)熱狂させることはなかった。サムスンは10年後に「S9110」で再挑戦した。これは、より洗練されたデザインを備え、通話時間はSPH-WP10の3倍近くあったが、価格は依然として600ドル以上だった。驚くことに、これは米国には上陸せず、フランスでのみ発売された。
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