OvumのアナリストであるTony Cripps氏は、「サムスンは、今回は勢いを維持できるはずだ。真の試練は2014年か2015年に訪れるだろう」と述べた。
サムスンはテクノロジ業界において最も革新的な企業の1つになったと自負してきたが、その看板をほかの企業に譲り渡すのはとても簡単だ。2012年にAppleのiPhoneは、米CNETが選ぶ年間最優秀デバイス賞のタイトルをGALAXY S IIIに奪われた。GALAXY S IVが最終的に大幅な進歩を遂げていると感じられなかったら、それはサムスンが同社の活力の一部を失うかもしれないことを意味する。
そうなればサムスンが必死になって構築してきたブランドに傷がついてしまう危険性がある。それでは同社があなたに購入してもらいたいと思っているほかの製品はどうだろうか。あなたはGALAXY S IVは満足できる性能ではないかもしれない、と考えて二の足を踏むかもしれない。そのハロー効果は非常に広範なものになる可能性がある。
GALAXY S IVの滑り出しが期待外れに終われば、ライバルたちがシェアを拡大する道が開けるかもしれない。LGはこの数日間、同社自身のデバイスの利点を宣伝している。さらに、ニューヨーク市のタイムズスクエアに大きな広告板を掲げた。サムスンの広告板の真横だ。
Appleのマーケティング担当チーフであるPhil Schiller氏は米国時間3月13日、「Android」に対して防御の構えを見せた。Schiller氏は、GALAXY S IVがもたらすと予想される競争は大したものではないと思っていることを示し、Android製品はiPhoneに劣ると述べた。
サムスンに関するこれらの懸念は、大きな杞憂に終わるかもしれない。同社はGALAXY S IVとそれに続く製品群によって、人々を完全に虜にするかもしれない。また、同社はAppleやほかのAndroidに対する圧力を大幅に強めるかもしれない。現時点では、同デバイスは非常に印象的なものであり、製品が大きな話題になっていることを理由に、人々が携帯電話を購入することは往々にしてある。GALAXY S IVに関して言えば、話題が尽きることはない。
しかし、サムスンが攻撃的な姿勢を維持し、首位の座にいることに安心しすぎないことも重要だ。同社は今回、市場を驚かせることに成功するかもしれないが、将来のデバイスで到達すべき水準はさらに上がるだろう。
サムスンの東南アジア、オセアニア、および台湾事業担当最高経営責任者(CEO)であるGregory Lee氏が14日、米CNETに対して述べたところによると、サムスンは今後もディスプレイやチップなど、可能な限り最高のハードウェアを同社製品に追加し続け、さらに最先端のソフトウェア機能などの新機能も搭載し続ける予定だという。サムスンはまた、歩みを乱せば現在の立場を失いかねないということも肝に銘じている。
「この業界では、謙虚であり続けなければならない。テクノロジ業界は大きな業界だ。尊大になれば、破滅が訪れるかもしれない」(Lee氏)
サムスンよ、われわれはあなたが次に何を考え出すかを見守ることにする。楽しみで仕方がない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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