Intelは現地時間2月24日、Mobile World Congress(MWC) 2013で新型チップを正式に発表した。
最初に発表されたのは、Intel初のスマートフォン向けデュアルコアチップである「Z2580」「Z2560」「Z2520」(開発コード名「Clover Trail+」)だ。これらの「Atom」プロセッサは旧プロセッサの「Medfield」と比べて、2倍のコンピューティング性能と3倍のグラフィックス性能を提供する。そして、性能が向上しているにもかかわらず、消費電力レベルはMedfieldと同じだ。
Creative StrategiesのアナリストであるTim Bajarin氏は、「Intelはモバイルプロセッサ市場への浸透を本格的に進めている。おそらく、この新しいClover Trailは、Intelがスマートフォン分野で重要な企業になるための真の第一歩だろう」と述べた。
消費電力は長い間、Intelの最大の問題だった。同社のチップは概して、人気の高いARM Holdingsのアーキテクチャを使って製造されたチップより多くの電力を消費する。このことが原因で、スマートフォンおよびタブレット分野でのIntelの人気は限られていた。しかし、Intelはより効率的なチップを作るという点で大幅な進歩を遂げた。そして、同社のチップがARMをベースとするチップと対等になったと考えている、と述べた。
Intelによると、Z2580、Z2560、Z2520のクロック周波数はそれぞれ2.0GHz、1.6GHz、1.2GHz。これらのプロセッサは、バーストモードで最大533MHzをサポートするグラフィックスコアを搭載したIntelのグラフィックス・メディア・アクセラレータ・エンジンを備える。
Lenovoは既に、Clover Trail+搭載デバイスの「K900」を発表しており、ASUSなどのほかのパートナーも近いうちに製品を発表すると見られている。
ただし、Clover Trail+は短命のチップになる可能性が高い。なぜなら、同チップは32ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)技術で製造されており、旧式のアーキテクチャを採用しているからだ。Atomシリーズは2013年中に22ナノメートルと新しいアーキテクチャへ移行するだろう、とIntelは語ってきた。
そこで登場するのが、同社が24日に言及した次期チップ「Merrifield」だ。同社はこの22ナノメートルプロセッサについて、「スマートフォンの性能や電力効率、バッテリ持続時間の向上に貢献するだろう」と述べただけで、それ以外の詳細は明かさなかった。
Intelはタブレット向けの22ナノメートルチップについては、もっと多くのことを明かした。「Bay Trail」と名付けられたこのプロセッサは、Intel初のクアッドコアAtomチップである。そして、Bay Trailは同社の現行世代のタブレット向けチップと比べで、性能が2倍に向上している。Bay Trailは、2013年のホリデーシーズンに間に合うスケジュールで発売されるはずだ。
さらに、Intelは24日、新興市場で販売されるローエンドスマートフォン向けの同社プロセッサに関する新しいパートナー数社を発表した。ASUSはこのプロセッサ「Lexington」をベースとする「Android」タブレットをMWCで発表する予定だ。エジプトのEtisalat Misrも、同プロセッサを採用するスマートフォンを開発している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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