Googleの次の一歩は、口コミでGlassを宣伝してくれる人々の集団を構築することだ。Glassが発表されてからの1年間、Googleはマウンテンビューを訪れた人々や同社パーティーのゲストたちにいつも同デバイスを見せびらかしてきた。同社は筆者を含むテクノロジ分野の記者に製品のデモを見せたり、ファッションウィーク中のDiane von Furstenburgのショーで、ランウェイモデルにGlassを装着させるという野心的なマーケティングを誇らしげに行ったりしてきた。そして公の場所でGlassを装着したGoogle関係者が発見されることが増えている。近頃、Sergey Brin氏(Glassの開発を担当しているGoogle X部門の統率者)が同デバイスを身に着けずに公の場に姿を見せることはまれになっている。
一足先にGlassの利用を認められた人々は同デバイスを装着した体験を友達に自慢するので、こうしたすべての動きは同デバイスに関するうわさを広めるきっかけになる。Googleはこれまでのところ、認知度を高めるのに十分な頻度でGlassを誇示しつつ、同デバイスを目撃する行為が純粋なイベント、つまりその後何日間にもわたって友達に話したくなる出来事であるかのような感覚を与えるという巧妙な芸当をうまくこなしている。
2月20日の動きによって、エバンジェリストは増える一方だろう。#ifihadglassハッシュタグはTwitterとGoogle+で既に軌道に乗っている。コンテスト参加者は間違いなくGlassの独創的な利用法を思いつき、そのアイデアは同製品をよりクールに見せる役割を果たすだろう。そして、それらはすべて極めて大きな注目を集めるだろう。なぜならわれわれは皆、ウェアラブルコンピューティングは壁を突破してメインストリームに進出する寸前なのかどうか、そしてGoogleがそれを実現する企業なのかどうかについて、あれこれと思いをめぐらせているからだ。
これらのすべては3つ目のステップにつながる。メインストリームの製品とするために、Googleは懐疑的な人々に対し、ウェアラブルコンピュータが重大かつユニークな利点を提供できることを納得させなければならない。しかも、通りすがりの人からGlassholeというレッテルを貼られるリスクを相殺できるくらい深く納得させる必要がある。それを実行する最も確実な方法は、Glassをあまねく普及させることだ。しかし、GoogleはそもそもGlassをどのように販売するのだろうか。
ここで、うわさされている直営店の話が関わってくる。「iPhone」や「iPad」のようなほかの画期的なデバイスと同様に、Glassも直接的な体験から恩恵を受けることができる。写真を何枚か撮影したり、動画を撮影したり、音声でGoogle検索してみたりすれば、懐疑的だった態度が突然軟化し始める。
もしGlass自体が期待を裏切るようなことがあれば(例えばユーザーインターフェースが使いこなせないほど難しかったり、バッテリ持続時間が不十分だったり、価格が1500ドル以下になるのに時間がかかりすぎたりしたら)、これらの戦略はどれも意味がなくなってしまうだろう。認識を変えるのは難しいもので、デバイスが発売されれば、批判者の声は大きくなる一方だろう。しかし入念ですきのないGoogleは、長期的な視野に立っている。もしGoogle Glassが2014年に成功を収めたら、それは同デバイスが発売される何年も前からGoogleが数々の手を打っていたおかげとなるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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