Madonna氏はThe AtlanticのAlexis Madrigal氏に対して、「新しい携帯電話を購入したら、ポケットに入れて持ち歩く。しかしこれは顔に装着するものだ。自分の見た目を気にする人はGoogle Glassを装着しないだろうと私は思う。もしあなたが筋金入りのオタクで、自分はテクノロジに詳しくて頭が良いなどということをひけらかすのが好きなら、おそらくGoogle Glassを装着するだろう。しかしそのような人はおそらく狭い世界で生きているか、もしくは新しい人間だ」と述べた。
多くの人がそう思っている。そして2013年2月20日に公開した動画で約束した体験をGoogleがGlassで提供できなかった場合、その見解が正しかったことが証明されるかもしれない。とはいえ、Glassはオタクが頭に装着する珍奇な装置だ、という似通った批判の多くは、Bluetoothヘッドセットにも当てはまる。そしてBluetoothヘッドセットは発売後の最初の4年間で4000万台売れた。同デバイスが目障りなものと見なされるようになってから、販売台数は鈍化した。しかし同ヘッドセットは電話をかけるという単一の役目を果たすものであり、電話をかける行為自体が縮小傾向にある。Google Glassはあなたの周りの世界を映す動的なヘッズアップディスプレイ(HUD)を提供すると約束している。Googleは人々を説得して、試してもらわなければならない。
それでは、Googleはそれをどのように実行するのだろうか。同社の戦略は次のようなものに思える。
1. 開発者に装備を与える。
2. エバンジェリストの支持を求める。
3. メインストリームの製品とする。
開発者への装備の提供は、2012年のGoogle I/Oで始まった。そのとき、Glassを装着したスカイダイバーが飛行船から飛び降り、その一部始終の動画をストリーミング配信した。サンフランシスコのモスコーンセンター内に集まったプログラマーたちは、口をぽかんと開けてそれを見つめた。それは2013年1月のGoogle Glass Foundryでも継続され、ニューヨークとサンフランシスコの開発者たちが同デバイス向けのアプリケーションの構築に着手した。Googleはソフトウェア開発に全く触れていない一連の写真によって、遠慮がちに同イベントへの興味を引こうとしたが、それでもハンサムで近未来的に見える多様な開発者グループを集めることに成功した。それらの写真は、ウェブ上のほぼすべてのテクノロジニュースサイトに再投稿された。
これらの取り組みの成果として、Glassの発売日には同デバイス向けのさまざまなアプリケーションが公開されるだろう。それには、あなたが現在スマートフォンで使っているアプリケーションのいくつかが含まれる可能性が高い。Evernoteの最高経営責任者(CEO)であるPhil Libin氏が筆者に語ったところによると、Libin氏はGlassを見た瞬間から、EvernoteとGlassが連携できるさまざまな方法について夢見るようになったという。同社が1月のGlass Foundryに参加したかどうかを筆者がPRチームに尋ねたとき、彼らは「ノーコメント」と即答したが、それは守秘義務契約が理由としか考えられない答え方だった。しかしEvernoteのようなアプリは、Glassの今後の見通しにとって不可欠なものになるだろう。見慣れたアプリがあると、奇妙な新デバイスもそれほど奇妙で新しいものには見えなくなる。
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