リスク。リスクなど存在するのだろうか。急増するFacebookのモバイルユーザーは、決してバブルを破裂させる集団ではないことが証明されつつある。最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏は米国時間1月30日、モバイルに的を絞った同社の取り組みが十分な成果を上げているとアナリストに話した。その成果の中には、偶然の幸運によってもたらされたものもある。
Facebookがウォール街予測をわずかに上回る2012年第4四半期決算(調整後の1株当たり利益が17セント、売上高が15億9000万ドル)を発表した後、Zuckerberg氏は投資家に対して「議論の余地はない。Facebookはモバイル企業だ」と述べた。
確かに、Facebookにとってモバイルに勝る場所はないように思える。同社によると、第4四半期の月間アクティブモバイルユーザー数は前年同期比で57%増加し、6億8000万人に達したという。そして、同社の歴史上初めて、モバイルのデイリーアクティブユーザー数がデスクトップのそれを上回った。
さらにFacebookによると、同社は第4四半期の広告売上高の23%に相当する3億600万ドルをモバイルから得たという。それは、前期のモバイル広告売上高の2倍で、Facebookのモバイル広告部門が6月に発足したばかりであることを考えると、印象的なパーセンテージである。
第3四半期、モバイルデバイス上でFacebookを利用する月間ユーザー数は6億400万人だった。増加し続けるモバイルユーザーは、Facebookの第3四半期広告売上高の14%(約1億5260万ドル)をもたらした。6億400万人という数字は、前年同期比で61%の成長を意味してもいる。もしFacebookが外出先で同ソーシャルネットワークを閲覧するメンバーから利益を上げられることを証明できていなかったら、モバイルへの移行は投資家に警戒感を与えていただろう。
最高財務責任者(CFO)であるDavid Ebersman氏は、「数四半期前、モバイル売上高がFacebookの広告売上高に占める割合は0%だった。今ではそれが23%にまで拡大しており、今後も大きな成長が期待できるとわれわれは考えている」と述べた。
簡潔に言うと、大勢のユーザーがFacebookのモバイルアプリへ移行する中で、同社はそうした動きから利益を上げることにほとんど苦労していないようだ。Zuckerberg氏が何度か述べたように、Facebookがニュースフィードへの広告表示を開始してもユーザーの反乱が起こらなかったことは驚きである。おそらく、われわれの多くは当然反乱が起きるだろうと考えていたはずだ。人々は広告を嫌っているのではなかったか。
「(モバイル売上高を)牽引している最大の要素の1つは、ニュースフィードへの広告表示を開始したとき、それがFacebookにおけるエンゲージメントレベルにほとんど影響を及ぼさないとわれわれが気づいたことだった。長い時間を費やして広告を調整すれば、いずれ、大きな影響を引き起こさずに広告を成功させることが可能になるだろうとわれわれは考えていた。しかし、それほど調整しなくても、広告は予想以上の数字をもたらした」(Zuckerberg氏)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果