Facebookはニュースフィード広告が人々を遠ざけると予測していた。そして、同社は広告品質の向上への取り組みを強化する必要があるだろうと考えていた。しかしユーザーの反乱は起こらなかった。同社は自信を強め、表示する広告の数を増やした。Facebookは、微調整を行わずに広告の量を増やしても、エンゲージメントがわずか「2%」しか下がらなかったことに気づいた。
もっと簡潔に言うと、Facebookはニュースフィード広告(別名「Sponsored Stories」)で幸運に恵まれ、人々はまだそれに不快感を抱いていない。最高執行責任者(COO)のSheryl Sandberg氏がFacebookのモバイル収益化戦略の土台と呼んだSponsored Storiesとは、ブランドや広告主が料金を支払って、Facebookのフィード内でより広範な宣伝を行うための近況アップデートのことだ。
Zuckerberg氏とEbersman氏、およびCOOのSheryl Sandbergの言うことを信じるなら、Facebookがニュースフィード広告で半分偶然の成功を収めたことは、同ソーシャルネットワークが(Zuckerberg氏によると、ターゲティングの改善やフォーマットの改良を通して)広告を向上させる方法を実際に考え出したなら、モバイルニュースフィード広告がより大きな利益につながることを示唆している。
しかし、投資家たちは完全に納得しているわけではない。たとえFacebookのモバイルリスク(Facebookが5月に株式を上場した後、数カ月にわたって同社株価に重くのしかかった)が遠い過去の悪夢に思えるようになったとしても、別の問題がある。Facebookは金銭を湯水のように使っている。
Facebookの株式報酬を除く費用は8億4900万ドルで、前年同期から67%増加した。株式報酬費用を含む研究開発費が今期の費用に占める割合は19%で、前年同期の11%から拡大した。全体的に見ると、今期の営業利益率は46%で、前年同期の55%から縮小した。そして利益は79%減少した。
これは株価に衝撃をもたらした。心ゆくまで出費を重ねたように思えるその費用の額は、投資家に即座に懸念を抱かせる原因を与え、時間外取引における同社株価の変動の一因となった。本稿執筆時点である1月30日夜におけるFacebookの株価は、同日の終値である31.24ドルから約3%下落している。
しかし、事態はさらに悪化する。Facebookは次の1年間もクレジットカードを取り出して、製品と人材に大金を投じていくとZuckerberg氏は警告した。同氏は、平手打ちを食らわせるような結果となったコメントの中で、Facebookは「売上高の増加を上回るペースで費用が増加すると予測しており、そのことは当社が2013年、自社の利益を最大化するための経営は行わないことを意味する」と述べた。
WedbushのアナリストであるMichael Pachter氏は米CNETに対し、「(2013年に)株式報酬を除く支出は50%増加する、と(Facebookは)話した。そのことは、(Facebookが)支出を14億ドル増やすことを示唆している。(Facebookは)純利益を横ばいに維持するためだけでも、売上高を28%拡大させる必要がある」と述べた。
そのことは、おそらくモバイル問題への初期の取り組みの成功によって大胆になったZuckerberg氏が、自らの帝国を広げようとする間、ウォール街の忍耐力をもう少し長く試すかもしれないことを意味している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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