サムスンのIR担当シニアバイスプレジデントのRobert M. Yi氏は24日の電話会見で次のように話している。「完成品分野の中でも、特に携帯電話とテレビでは、需要の伸びの鈍化や、新製品の発表、中間価格帯および低価格帯市場の拡大のために、競争がさらに激化すると予想している」
サムスンとAppleはいまだにモバイル業界では優勢であり、それに変化があるとは誰も予想していない。この数日で発表された、いくつかのテクノロジ調査会社による報告書では、2社の第4四半期のスマートフォン市場シェアを合わせると約50%になるとしており、両社とも、2013年に登場する新製品によって弾みがつくと予想されている。
しかし、米国や欧州などの先進国市場では、見たところ誰もが既にスマートフォンを使っている。そのような状況では、成長の大部分は新興国からもたらされるだろう。しかしそうした地域には、価格の低い(そして利益性の低い)製品と、異なる戦略が求められる。サムスンが試みたのは、異なる価格ポイントで、さまざまな携帯電話を開発することだ。一方Appleは、同社のデバイスのうち、より古いモデルを勧めている。
両社とも中国のような地域では根強い需要がある。サムスンは、中間価格帯および低価格帯スマートフォンに対する新興市場需要が2013年は堅調だとみている。一方Appleは、中国は同社にとって最も急成長している地域だとしている。しかしサムスンやApple、そのほかの既存ベンダーは現在、Huawei Technologies(ファーウェイ)やZTEのような、急速に勢いを得ている低価格デバイスメーカーと競争している。
IDCはモバイル市場シェアに関する四半期報告で、ファーウェイは現在、世界第3位のスマートフォンメーカーであり、中国企業としては第1位であるとしている。同社の市場シェアは、サムスンやAppleと比べればまだかなり小さいが、ほかの中国ベンダーと同様、着実な伸びを示している。こうした企業は、安価な携帯電話を提供するだけではなく、より高価格の製品を提供するようになっていくと予想されている。
ForresterのアナリストのTony Costa氏は「こうした企業がもともと参入してきたのは、マスマーケット、つまり低価格のスマートフォンによってだったが、そうした企業は階層を上りつつあり、サムスン(やほかの企業)に挑もうとしている。その傾向はますます高まっていくだろう」と述べた。
もちろん、サムスンのビジネスはモバイル端末だけではない。同社には、プロセッサやディスプレイを含む幅広い製品ポートフォリオがあり、こうした事業は、2013年は全体として高成長率を維持すると予想されている。
またモバイル市場は、減速しているとはいえ、成長し続けている。サムスンは主要OSをすべてサポートし、幅広い製品ポートフォリオを提供するという戦略を続けながら、スマートフォン市場シェアを維持する計画だ。
IDCのアナリストであるRamon Llamos氏は、「市場が減速していることと、市場が縮小することとは別だ。市場が縮小してはいないのは明らかだ。空が落ちてくるようなことはない」と述べている。
そうかもしれない。しかしAppleとサムスンは今、これまでの長い間にはみられなかったほど多くの否定的要素に囲まれている。懸念の声があるのももっともなことだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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