それは、こうした種類の世界でどのように管理を行うべきかという、IT担当部署が直面する真の難問だと言えます。われわれは、ユーザーが希望するシナリオ全てを実現したいと考えていますが、IT担当部署が、彼らの役に立つ管理戦略を持てるようであってほしいとも考えています。
--Microsoftの最高経営責任者(CEO)であるSteve Ballmer氏は、Microsoftがサービスとデバイスの企業へと成長することについて、よく言及しています。Officeに関しては前進していますが、ほかにはどのようなものが、ダウンロードやディスクによって提供されるソフトウェアではなく、サービスのようになっていくのでしょうか。
DelBene氏:この新しいサービス提供メカニズムは、われわれが将来できることへの道を開く、1つの例だと思います。ユーザーにデータを届けるには、今までとは異なる新しいテクノロジが使われています。ユーザーは文字通りOffice.comに行って、ボタンをクリックすれば、アプリケーションを自分のデスクトップにストリーミングできます。そのため、ユーザーはそれをデバイスにインストールするものと考える必要は徐々になくなり、登録して使うサービスと考えるようになります。われわれはユーザーが求める機能を提供するために、必要なデータをストリーミングします。
したがってそれは、新しい機能や性能をユーザーに継続的に提供するためのパイプになると考えています。ユーザーはクラウドの接続性を今まで以上に実感するでしょう。例えば親の家を訪問したときに、OfficeをインストールしていないPCがあっても、サブスクリプションサービスを利用しているユーザーであれば、Officeをダウンロードできます。ダウンロードして、使って、立ち去ることができるというわけです。
--Office 365 Home Premiumでは、成功したか否かを判断するために、どのような指標を参考にしようと考えていますか。
DelBene氏:1つには、ユーザーのフィードバックの内容から、それがユーザーにどのように受け入れられたかを見ようと思います。われわれは実際に、ユーザー向けプレビュー版への評価では、非常に良いフィードバックを受けています。われわれは良いスタートを切っていると思います。しかし、ユーザーによるこの製品の導入状況や、ユーザーのフィードバックの内容を見ていくつもりです。
2つめには、製品全体の売り上げを見るつもりです。永続ライセンス製品と、サブスクリプションサービスによる製品の両方の売り上げです。それはMicrosoft全体でみれば好調で、増加していくのではないでしょうか。
次に考えるのは、サブスクリプションサービスによって製品を購入することを選んだユーザーの割合です。われわれはそこから、永続ライセンス製品と比較してどのような価値を提案していかなければならないのかが分かると考えています。うまくいけばそれは素晴らしいことで、それを基盤としてさらに先に進んでいこうと考えるでしょう。サブスクリプションサービスに問題があればその点を解決します。そしてサブスクリプションサービスの素晴らしい点は、リアルタイムで調整できることです。つまり製品に細かい調整を加えて提供することで、結果として実際に勢いに乗ることができます。
--Officeを家庭で使っているユーザーのうち、サブスクリプション版を使用するユーザーと永続ライセンスを持つユーザーの割合について、例えば12カ月後の目標はありますか。
DelBene氏:10年たてば、ユーザーのほぼ全員が、Microsoftのソフトウェアをサブスクリプションサービスとして購入するだろうと考えています。
--分かりました。では、それよりも短い期間については、何かおっしゃりたいことはありませんか。
DelBene氏:われわれが実際に目標を設定している期間はありません。われわれがしているのは、成功するだろうと思う製品を生み出すことです。われわれは製品を見て、ギャップを見つけ、修正していきます。正直なところ、中間的な目標は設定していません。小売業者に聞いた話から判断して、われわれは非常に好調なスタートを切るだろうと考えています。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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