読者の中でカセットテープを学生時代に使っていた世代の方はどれくらいいるだろうか?さすがに「オープンリールから使っていたぞ」なんて方は少ないとは思うが、カセットテープすら見たこともないという方々も今では多いかもしれない。そういやその後はMDなんてものもあったっけ。ちなみに筆者は学生時代、FMラジオでエアチェックしてカセットテープに録音、インレタを使って綺麗なレーベルをせっせと作っていた。不便ながらも懐かしい思い出である。
今回紹介するのはカセットテープ世代の方々が思わず懐かしさで涙を流してしまいそうなラジカセケータイである。製品はその名前そのもの、ラジカセの形をしている。実はこのケータイは年配者向けの簡単ケータイでもあり、ディスプレイの表示文字も大きく使いやすくなっている。年配の方々向けのケータイは実は最近増えており、中国国内でも数十機種以上が販売されている状況になっているのだ。
そんな年配の方々が80年代にディスコでフィーバーしまくっていたころ、最もあこがれであり、また高価な製品と言えば高機能ラジカセだったのではないだろうか?ちなみにラジカセも70年代までは黒いボディーにつまみがたくさんという事務用品的なデザインのものが多かったが、80年代になってから小型化とファッション化が進み、若者の必須アイテムになっていったのだ。小型の再生専用プレーヤー、すなわちウォークマンがヒットしたのも同時期である。
青春時代の思い出の中心的存在でもあったラジカセ、これをケータイにしちゃったのはもちろんトンデモメーカー。しかも世界で初の試みだ。しかも出来がいいので80年代を現役で過ごされた方々だけではなく、レトロな製品が好きな人にもお勧めできる製品かもしれない。今回はぜひBGMに80年代サウンドを流しながら記事を読んでほしい!
今回のトンデモケータイはSunCorp製。製品名はSGW99で、そういや昔のラジカセの型番ってこんな感じだったような気がするなぁ。でもパッケージはラジカセとか80年代とかを感じさせない、ゴールドに花の模様の入ったもの。おそらくターゲットとする年配の方にこのあたりは合わせているのだろう。もしもお店でこのパッケージを見かけても、まさか中にアレが入っているなんて想像できないんじゃないだろうか。
ではパッケージを開けてみよう。するとそこにはちっちゃいラジカセが入っているではないか!いやもうこれはラジカセそのもの、これがケータイである必要なんて感じないくらい見た目はラジカセなわけですよ。これこのままマイクロカセットラジカセとして発売してもいい雰囲気じゃないの?ま、今の時代、テープ使うよりメモリー使ったほうが安上がりだからそんな製品を作る中国メーカーも出てこないだろうけどね。
このSGW99、まず何がうれしいってスピーカ部分に貼られた「32W」のステッカー。そうそう、昔のラジカセってスピーカ容量を誇示するためにこんなステッカーが貼られていたんだっけ。今で言えばノートPCのパームレスト部分に貼られているCPUステッカーみたいなものかも。とにかく数字がデカければ高機能、そんな時代だったわけね。もちろんSGW99のスピーカは32Wではないけど、わざわざこんなステッカーまで再現するあたりがうれしいぜ!
そしてパッケージから取り出して机の上においてみれば、本当にもうこれはラジカセなのね。このまま音楽が流れてきても違和感ないぞ本当に。しかもちゃんと取っ手の部分も動いちゃうなんて再感激!取っ手を立てればさらに本物っぽく見えるわけね。そして!さらにはここにアンテナがあり、アンテナを立てると涙が出るくらいラジカセ度がアップ!それでいて手の平に乗る小型サイズなんだから、これはもうトンデモケータイというよりも工芸品かもしれない!?
なお本体の上部には音楽再生用のボタンも並んでいるのでラジカセのように使うこともできちゃうわけ。本物のラジカセと違うのはここに録音ボタンやラジオのチューナーダイヤルなどがないことくらい。でもそれがなくてもこのSGW99はミニチュアラジカセとして十分な出来に仕上がっているんじゃないかな。
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