トンデモケータイはキワモノばかりと思われがちだが、これまでご紹介してきた何十機種もの製品の中には「世界初!」を堂々とアピールできる製品も少なくない。太陽電池の搭載や複雑なギミック、果ては楕円型のディスプレイの搭載など大手メーカーに先駆けた製品も次々に登場している。まぁ腕時計付きとか指輪が付属などのようなどーしよーもない「世界初」も多いのだけど、トンデモケータイの世界はアイディアの宝庫、常識では考えられない製品が山のように存在しているのだ。
とはいえ昨今のスマートフォンの普及の波はトンデモケータイの世界にも押し寄せてきており、高い機能や凝った作りをした製品は激減している。トンデモメーカーの淘汰も始まっており、以前ほどの勢いが感じられないのがちょっと残念なところ。しかしその一方ではスマートフォンに進出するメーカーも増えており、名もないメーカーの怪しげなスマートフォンが急激に増えているからそれはそれで目が離せないのだ。
さてトンデモケータイならではの製品カテゴリの一つとして「腕時計ケータイ」がある。大手メーカーからはわずかな製品しか出てきていないが、トンデモケータイの世界では腕時計にケータイ内蔵は当たり前。以前にも紹介したことがあるが、実用性はさておき多種多様な腕時計ケータイがフツーに売られているのが中国のトンデモないところでもある。
こんな状況の中、ついに最高の製品ともいえるブツをトンデモメーカーが作り上げてしまった。それはなんと時計ケータイとスマートフォンを合体した「腕時計スマホ」だ!おそらく世界初の製品ではないだろうか?スマートフォンと連携できる腕時計型のデバイスは各社から販売されているが、腕時計そのものがスマートフォンという製品はまだ出てきていないはず。こんなものをサクッと作っちゃうなんて、やっぱりトンデモメーカーは時代を一歩も二歩も先取りしているのだろうか?
まずはパッケージを見てみよう。表には誇らしげに「NewFashion Android Watch Z1」と製品名とブランド名らしきものが印刷されている。だが例によってメーカー名はどこにも書かれていない。こんな革新的な製品を開発しながら雲隠れとは、実はヤバイことをやっている会社なんだろうか(笑)。パッケージには本体カラーが白のものが印刷されているが、他に黒、グレー、ピンクの合計4色のモデルが用意されているようだ。
またパッケージの裏を見ると機能がズラズラッと書かれているが、意外なことに内容はまとも。しかし能書きがやたらと大げさだ。たとえば「2インチスーパーワイドスクリーン」(たった2インチなのに)、「超高速な2.75Gのダウンロード速度」(最大128kbpsしか出ない)、「パワフルデュアルコアCPU、280+460MHz」(2段階切り替えであってデュアルじゃない、しかも遅いし)などなど。表にすると低スペックなのがバレるのでわざわざこんな文章にしているんだろう。
では期待しながらパッケージを開けてみよう。中には簡素な紙の仕切りに挟まれてZ1本体が入っているが、スマートフォンならもうちょっと色気のあるパッケージングをして欲しいもの。それこそ画面部分に「デュアルコア!」なんてステッカーを貼るとかね。でも本体の下には豪華な付属品が入っているってことでやっぱりメーカーさんは気合を入れているのかも。なんとBluetoothヘッドセットが標準で付属、腕時計型端末なので通話はこれを使ってね、ってことのようだ。
さてZ1本体を取り出してみると確かに腕時計そのものの形状である。特に奇抜なデザインでもなく、むしろファッションウォッチにありそうなフォルムだろう。これでもしも中身がトンデモケータイだったとしても、カラバリも選べるのなら十分アリな製品かもしれない。ただそこらの腕時計ケータイなら5000円も出せば買える時代に、その4倍近い値段もするこのZ1、ちゃんとスマートフォンであってほしいものだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス