中国のトンデモなケータイを紹介してきた本連載も、2012年になってから更新ペースが遅くなってしまった。今回は実に約半年振りの記事である。というのもトンデモケータイ界は今、大きな激震のうねりに包まれているのだ。髭剃りを内蔵させたり始皇帝の兵馬俑のフィギュアをつけたり、なんて「トンデモナイ」ケータイはここのところすっかり見かけなくなってしまった。筆者としても寂しい限りである。
というのも中国では年々携帯電話の価格が下がっており、まともなメーカーのケータイが2000円、3000円で買える時代になってしまった。それに加えスマートフォンの価格も急落。プリペイド契約ながらも2年契約で実質無料で買えるスマートフォンも急増しており、中国人たちもこぞってスマートフォンを買い始めているのだ。2012年の4~6月期にはついに中国で出荷されるケータイの半数以上がスマートフォンになったほどだ。
簡単に手の届くスマートフォンが増えれば、トンデモケータイの売れ行きが落ちるのは当然なわけである。そのためトンデモケータイはメーカー数も製品数も減少の方向に向かっているのが今の状況なのだ。だがトンデモメーカーたちも黙って見ているわけではない。中でもトンデモケータイの心臓部ともいえるチップセットやプラットフォームを提供していた台湾のMediaTek社が、昨年あたりからAndroidスマートフォンプラットフォームを次々に出して反撃を開始している。
これが意味するのは、スマートフォンも「パーツ買ってきて組んでROM焼いて一丁あがり!」なんて時代がやってきたということである。そうなれば動きが早いのが中国。トンデモケータイからトンデモスマホへと鞍替えするメーカーが続出、しかも大手メーカーを超える製品がさっそく登場。なんとディスプレイサイズが6インチ!GALAXY Noteをも超える大画面スマホがさっそく発売になっている。
今回紹介するトンデモスマホは世界的にヒットしているあのGALAXY Noteシリーズを凌駕する大型ディスプレイを搭載。パッケージは見るからにGALAXY Noteを意識している。一昔前ならNokiaやらiPhoneっぽいパッケージのものが多かったのだが、最近はSamsungが真似される代表になっている。まぁ中国でもiPhoneモドキじゃ誰も買わない時代になったってことなのだろう。
パッケージを開けてみると、どーんと本体が鎮座している。メーカー名は例によって不詳、製品名はMiniPadらしいが、どうせなら「なんたらNote」とつけるべきじゃないの?ってくらいデザインは似ている。なお本当の製品名はAndroid i9977。この型番も中国のSamsungスマートフォンに類似したものがつけられている。でも他の部分にはGT-Padとあったりして、本当の名前がどれだかよくわからない状況だ。ま、製品名っぽいのはやっぱりi9977だろうから今後もその名前で呼ぶことにしよう。
このi9977本体をパッケージから取り出すと、その下にはACアダプタやらヘッドセットなどが見えてくる。アクセサリの形状はどことなくiPhoneっぽい?そしてでっかいバッテリが予備も含め2枚入っている。ディスプレイは大きいしスマートフォンだし、むしろ3枚くらいあったほうがいいかもしれない。またマニュアルはSamsungっぽいつくり。このあたりは今がスマートフォンの流行の移り変わりの真っ最中ってことなんだろう。
i9977を写真で見るとフツーのスマホに見えるかもしれない。まぁ本体上にスピーカ、左上にインカメラ、そしてディスプレイの下には3つのソフトボタンが並ぶ様は一般的なAndroid端末と変わらない。そもそも端末のデザインはかなーりGALAXYを意識しているので、これがSamsungの新製品と言われたら信じてしまうかもしれない。
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