一方、NokiaとIntelは、それぞれMaemoとMoblinという独立した独自のLinuxベースプロジェクトを進めていた。しかし2007年に両社はその取り組みを統合して、MeeGoというプロジェクトにすることを決定した。だがNokiaでは経営陣の大幅な入れ替えが行われ、最終的にかつてMicrosoftの幹部だったStephen Elop氏が2011年に最高経営責任者(CEO)になると、同社はMeeGoから離脱し、Elop氏が前にいた会社の新進のプラットフォームを選んだ。
MeeGoプロジェクトが中止になった後、Intelは再び、パートナーも方向性もないまま取り残された。しかし無線通信事業者は、同社が行ってきたプロジェクトに可能性を感じ、長年LiMoのメンバーだったサムスンと協力するように同社を促した。サムスンは以前、自社製プラットフォームの「Bada」で、OSを新たに開発できることを示していた。このBadaは、世界の一部の地域でまずまずの成功を収めていた。2011年末までにはTizenが形作られ、LiMoプラットフォームの後を継いだ。
Tizenコンソーシアムは、かつてその進行を妨げた失敗を意識して、以前よりも素早く行動することを目指している。
Tizenの作業は、委員会によって開発を行うのではなく、Intelとサムスンの社員が集まって作った運営グループによって大部分が進められている。Tizen Associationのメンバーも、コードを作成したり、意見を述べたりといった形で寄与はするが、中心的な開発作業は2社の指導の下で行われる。
「時には、ささいな事柄に打ちのめされることもある」と言うのは、Intelのソフトウェアおよびサービスグループのバイスプレジデントで、Tizen Associationの取締役のElliot Garbus氏だ。
Intelとサムスンは、互いの公正さを保つ役割を期待されている。Intelの役割は、サムスンが同社のテクノロジのすべてを組み込み、ほかの携帯電話ベンダーを犠牲にしてこのOSを支配しようと企てないようにすることだ。一方サムスンの役割は、このOSがどんなモバイルチップでも動作するようにすることだ。
しかしIntelは、いまだ初期段階にある同社のモバイルチップビジネスを、Tizenがある程度活気づけてくれることを期待している。同社は企業と提携することで、それらの企業の端末にチップを採用させてきたが、その存在感はいまだに限定的であり、米国の通信事業者はどこも特別な関心を持っていない。
「新しいプラットフォームがあれば、新しい機会が生み出される」(Garbus氏)
このグループは、アプリ開発のジレンマを十分承知した上で、HTML5を完全にサポートすることに力を入れている。ただしTizenは、より高機能のプログラム向けに、ネイティブアプリの選択肢も用意する予定だ。
米国の消費者がTizen搭載携帯電話を目にする時期についてははっきりしない。Sprint Nextelは、Tizen搭載携帯電話を販売することを確約しているが、同社のデバイス開発担当ディレクターのRyan Sullivan氏は、まだライフサイクルの初期の段階だと語った。
永田氏は、Androidフォンがハイエンドの選択肢であり続ける一方で、Tizenは、ローエンドのスマートフォン、あるいは通常の携帯電話からアップグレードする消費者向けの選択肢になるだろうと述べ、Tizen搭載携帯電話の位置付けについてヒントを与えている。
Tizenが新しいビジネスの構築を促進する機会について、永田氏はすっきりしない言い回しの例えを使いながら語った。
「未来の赤ん坊を発表し、生み出したいと考えている」(永田氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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