注目されるアップルの第1四半期決算--予測まとめ

Josh Lowensohn (CNET News) 佐藤卓 吉武稔夫 矢倉美登里 高橋朋子2013年01月22日 12時13分

 Appleは米国時間1月23日に第1四半期(2012年10-12月期)の決算を発表するが、その結果は、Appleの健全性と将来性を示すものとして非常に大きな注目を集めている。

 すでによく知られていることだが、Appleの株価は下落を続けており、2012年9月後半に702ドルだった価格が、2013年1月第3週には500ドル付近で取引を終了するほどにまで落ち込んだ。わずか4カ月で28.4%も下落したことになる。ただし、決算結果がよければ、Appleが23日に数値を発表するときの将来見通しの内容にもよるが、この下落傾向は変わる可能性がある。

 Appleは 10月に第4四半期(2012年7-9月期)の決算を発表した際、第1四半期について、売り上げが520億ドル、1株あたりの利益が11.75ドルになるとの見通しを発表していた。ウォール街では、同社がこの見通しを上回る数字を発表することが期待されており、その値は、Thomson Reutersがまとめた47名のアナリストらによる事前予測において、売り上げが546億9000万ドル、1株あたりの利益が13.41ドルとなっている。

 この見通しが、第4四半期決算時の見通し発表の前にアナリストらが予測していた1株あたり13.87ドルより低いことから、Appleの成長が行き詰まっているとの懸念が生まれた。Appleはアナリストらとの電話会見で、その原因を「iPad mini」など新製品の製造による利益率の減少だと説明している。IHS iSuppliの推計によれば、最低価格が329ドルのiPad miniは、部品代と人件費でおよそ198ドルのコストがかかるという。

 状況をやや複雑にしているのは、ほぼすべてのコンピュータ製品ラインを刷新したほか、「iPhone」「iPod」「iPad」の新製品を投入するなど、Appleが2012年を華々しく終えたことだ。そのため、ただでさえホリデーシーズンの売り上げによって好調な第1四半期決算は、さらに好調な結果になると予測される。だが、1年の残りの時期におけるAppleの業績を懸念する声も上がっている。過去に、製品の投入が順調に進まないことがよく見られたためだ。

製品ごとの予測

 製品に関して、四半期決算の注目は引き続き、Appleの利益を大きく牽引する「iPhone」だ。アナリストらは以前から、スマートフォン市場が成熟していく過程で、業界最高クラスであるiPhoneの平均販売価格が大幅に下落することを懸念している。それに加えて、消費者が購入するiPhoneの内訳を見ると、前年または2年前のモデルがかなりの割合を占めており、それらは価格と利益率を下げて販売されている。

 アナリストが予測する第1四半期のiPhoneの販売台数は4300万~5300万台だ。これは前年同期の3704万台、および前四半期の2690万台を上回り、四半期ベースではiPhoneシリーズの発売以来最高の数字となる。

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