フランスの新聞Le Mondeによると、いわゆる「リンク税」をめぐるGoogleとフランスのメディア各社の交渉は行き詰まっているという。
Googleの会長であるEric Schmidt氏は2012年秋、フランスのFrançois Hollande大統領と「リンク税」について会談した。リンク税はフランスの新聞各社が提示した考えで、これが実施されると、Googleは「Google News」に記事リンクを掲載する際、メディア企業に対価を払わなければならない。Hollande大統領は当初、Googleとメディア各社に対し、12月中に合意を成立させるよう求めていた。
その後、期限は2013年1月末まで延長されたが、合意が成立する可能性は低そうだ。Le Mondeは現地時間1月18日、Googleがメディア各社に年間5000万ユーロを支払うことを申し出たと報じた(この金額のうち、保証されているのは3分の1のみで、残りは、Googleのその年の業績によって変動する)。メディア側は、Googleにもっと大きな負担を求めており、年間7000万~1億ユーロの支払いを要求している。
フランスの文化通信大臣Aurélie Filippetti氏は1月、両者の意見の不一致は政府が設定した期限である1月末を待たずに迅速に解決するだろう、との見通しを述べた。その根拠は、友好的な取り決めが成立しない場合、両者に代わって政府が法律の制定によって問題の解決に乗り出すというものだった。Hollande大統領は先週、Googleをはじめ、フランスのメディアが生み出した「情報」から同じく「利益を得ている」企業に対し、メディア各社の財政に貢献させるための「法律または課税による対策が実施される」ことを認めた。
課税とデジタル経済の問題を調査するために設置された政府調査チーム(「Colin et Collin」と呼ばれる)は先週末、結論を発表した。同調査チームは、フランス政府がどのような「法律または課税による対策」を実施するかについて、助言を提する可能性がある。
Colin et Collinは、同調査チームがデジタル経済の中核と見なしていること、つまり、好むと好まざるとに関係なくインターネットユーザーが生成したデータに、主眼を置いている。同調査チームは、国家など「特定の地域内でのユーザーの活動を定期的かつ組織的に監視するために」収集されるデータに基づく、新しい税金の創設を提案している。
さらに同調査では、税の最適化に関する慣行の拡大を制限するため、欧州における所得税が処理される方法に関して変更を求めている。特に、FacebookやPinterestなどの大手サイトに対してユーザーが無料で生み出して提供するコンテンツのような「エンドユーザーの『無償の働き』によって生み出されたデータに関連している」と企業の主要拠点について定義する方法に関して求めている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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