Facebookの「Graph Search」が持つ意味とは--割れるアナリストらの見解 - (page 2)

Jennifer Van Grove (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2013年01月18日 07時30分

 Etlinger氏は、Graph SearchはFacebookの成長の手段になるだろうと主張している。つまり、Facebookのユーザー数が上限に到達する中で、ユーザーをアクティブな状態に保つツールである。「世界の人口には限りがある。成長のエンジンとなるのは共有だ」(Etlinger氏)

 Etlinger氏の同僚であるLieb氏も、レコメンデーションとの関連性の低さを指摘するElliott氏の考えには異議を唱えている。「検索が広がれば、Yelpやfoursquare、『Google Local』といった、消費者が友達のレコメンデーションに基づいて映画やレストラン、サービスを探すのに便利なソーシャルプラットフォームのビジネスモデルを破壊する可能性がある」(Lieb氏)

 Infoneticsで家庭用電化製品とモバイルブロードバンドサービスを担当するアナリストのJulien Blin氏は、さらに一歩進んだ議論をしている。同氏は米CNETに対して、Graph Searchが携帯電話で利用可能になったり、「Facebook Gifts」を組み込んだりすれば、GoogleとAmazonにとって大きな脅威になる可能性があると語った。

 「あるFacebookユーザーが『サンフランシスコで靴を買った友達』の検索をするというケースを考えてみる。そうすると(Graph Searchは)シューズショップの一覧と、友達からのコメントとレビューを表示する。そのFacebookユーザーには、Facebookの『Want(ほしい)』ボタンをクリックして商品を購入するという選択肢もあるし、その商品をFacebook Gifts経由でほかのユーザーにプレゼントするという選択肢もある。こうした種類のサービスは、Amazonと直接競合するだろう」(Blin氏)

 現時点では、FacebookのビジネスにおけるGraph Searchの意味をめぐる議論はすべて、完全に理論上のものだ。Facebookは確かに、全くのベータ版で英語のみを対象としたウェブ限定の製品を数十万人のユーザーを対象に提供開始している。同製品では、Facebookの投稿や、音楽を聴くといった「Open Graph」のアクションを検索することもできない。そのためそれは、提供対象のユーザーが部分的に利用できるだけという状況であり、メンバーの興味対象やつながりについて、より多くの情報を引き出したいと考えているブランドや広告主にとっては、すぐに価値につながるものではない。

 われわれはGraph Searchをジョークとまで呼ぶつもりはないが、この発表は基本的なサイトの衛生管理のようなものだというElliott氏の指摘は、考えれば考えるほどよりふさわしいように思える。

 「どれだけ探しても、今のところ、Facebook上では何も見つけられない」(Elliott氏)

 われわれは、長く待たされていたように思えるソフトウェアの発表を称賛するべきだろうか。それは各自が判断することだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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