われわれが手にしたのはFacebookフォンではなく、「Graph Search」だった。このFacebookのベータツールは、1兆件のつながりの中に埋め込まれた人々や写真、場所、そして興味の対象に即座にアクセスするためのものだ。このツールにはFacebookフォンと同じくらい重要な意味がある。いいや、ないかもしれない。
米国時間1月15日に限定公開されたGraph Searchは、文脈を使ったFacebook検索機能だ。ユーザーはより大きな検索バーを使って、自然言語による検索クエリを入力し、過去の写真、友人が訪れたレストラン、友人が好きな音楽や映画、さらにはデートの相手や友達になれそうな人、人材、メディアの情報源などを探すことができる。Facebookで答えが見つからない場合には、Bingが通常のウェブ検索結果で空欄を埋めることになっている。
Altimeter Groupでデジタル広告とメディアを担当するアナリストのRebecca Lieb氏は、米CNETに次のように語った。「Graph Searchは、Facebookの機能性を強化し、ユーザーにとってより使いやすいものにする。X市のY社で働く人を探すといった、LinkedInのような性質を少しばかり持ち合わせているが、使いやすい強力な自然言語検索機能が備わっている」
ForresterのアナリストのNate Elliott氏は米CNETとの電話インタビューで、15日の記者発表は、基本的な衛生管理のようなものだと、軽蔑を含んだ調子で語った。
同氏は、「Facebookがこれを大ニュースと呼ぶのは、悪いジョークのように感じる。彼らは、Facebookの中で受け入れがたいほど悪い部分を取り出して、それを使えるようにしようとしている」と述べ、さらに、Facebookは単に1995年の世界を抜け出して、今度は2000年代向けの製品を作り出したと語った。
Elliott氏は、この発表を大ニュースと呼ぼうとしているアナリストやメディア業界の人々は、「使用事例が考えられていないツールの使用事例を探そうと必死になっている」のだと強く主張した。同氏は特に、Graph SearchがYelpやfoursquareなどのソーシャルレコメンデーションサービス分野に実質的な影響を与えるとは結論付けないようにと警告している。
自分が何を探索しようとしているのかを判断するには友達は役立つが、レストランを何度も訪れたり、映画を見たりしたいかどうかを判断するにはほかの情報源を利用するとElliott氏は言う。「(Graph Search)と、人々がGoogleやYelpで取っている行動の間には、重なる部分はあまり多くない」(Elliott氏)
論争の反対側にいるのは、Graph SearchがFacebookの損益に大きな影響を与えると本気で考えている、数多くの業界評論家たちだ。
Altimeterの業界アナリストのSusan Etlinger氏は米CNETとの電話インタビューで、「検索は、表面的には重要度の低い発表のように見えるが、それはユーザーに対してとてつもなく大きな潜在的影響がある」と語った。
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