UPDATE Facebookの最高経営責任者(CEO)を務めるMark Zuckerberg氏は米国時間1月15日、メンロパークにある同社本社で開催された報道陣向けイベントで、「Graph Search」を発表した。Facebookユーザーに最も関連性の高い人々、写真、場所、興味対象を検索する新しい方法であるという。
Graph Searchは、10億人のユーザー、2400億枚の写真、1兆件のつながりからなるFacebookの大規模な基盤をユーザーにとって意味あるものにするため、同ソーシャルネットワークが提供する最新の機能である。同ツールは、人々、写真、場所、興味対象に関する質問への回答をユーザーに提供することを目的とする。Zuckerberg氏は、15日に少数のユーザーを対象にGraph Searchを提供開始し、しばらくはデスクトップ上で英語版のみを提供すると述べた。
構造化されたこの検索ツールは、古い記憶を呼び覚ましたり、自分のネットワーク内の人々を検索したり、あるかもしれないつながりを発見したりするために使用することができる。同サービスには、場所の種類、「Like(いいね!)」している人、友人が訪問したかどうかといったさまざまなフィルタが用意されており、対象をすばやく見つけられるようになっている。さらに高度なフィルタを使用することによって検索クエリを絞り込み、より良い結果を得ることができる。
1つの例として示されたのは、「わたしの友人の友人で、カリフォルニア州サンフランシスコにいる独身男性」という非常に具体的な検索であった。条件が絞り込まれたこのクエリによって、その条件に合致する人々のグループが結果として返された。Graph Searchは個人的な用途以外にも、交際相手や人材を探すという目的にも使用でき、これによって、LinkedInや、ソーシャルネットワーク機能を備えるさまざまな交際相手募集サイトを脅かす製品になる可能性を秘める。
しかし、個人的な用途も豊富だ。例えば、「わたしの友人の1990年以前の写真」というクエリに対し、かわいらしい子供の写真がいくつか返され、中にはSheryl Sandberg氏の1972年の写真もあった。
Graph Searchは各ページの最上部に、通常の白い検索バーの代わりにより大きな検索バーとして表示される予定である。Facebookによると、ユーザーが同サービスの検索を実行すると、その検索は、ユーザーに表示する検索結果の内容を決めるとともに、そのページのタイトルにもなるという。「タイトルは編集することができる。そしてそうすることによってユーザーは、自分と自分の友人がFacebook上で共有するコンテンツに対する独自のカスタムビューを作成することになる」とFacebookは述べている。
Zuckerberg氏は、Graph Searchとウェブ検索はまったく異なるものだと述べた。後者は、キーワードの集合を入力とし(Facebookは例として「hip hop」(ヒップホップ)を挙げた)、そのキーワードに最も合致する可能性がある結果を出力するように設計されている。一方、Graph Searchはフレーズを組み合わせる。もう1つの顕著な相違点は、各Facebookコンテンツには独自のオーディエンスがあり、ほとんどの場合そのコンテンツは公開されていないという点である。Zuckerberg氏は、そこにある明らかなプライバシーの問題をほのめかしつつ、Graph Searchは最初からそれを念頭に構築されており、各Facebookコンテンツのプライバシーとオーディエンスを尊重するものになっていると述べた。
従来のウェブ検索も、Graph Searchが目的とする機能ではまったくないものの、同ベータ製品には組み込まれている。Facebookは「Bing」と提携し、Facebookの新しいエンジンであるGraph Searchが対応できないクエリに対して、自動的に検索結果が提供されるようにしている。
ビジネス面については、Facebookはこの新しい資産によって直ちに収益を上げようとは考えていない。しかし、当然それは今後の課題である。
「ゆくゆくはビジネスとなる可能性がある。現時点では、ユーザーエクスペリエンスの構築に専念している」とZuckerberg氏は述べた。「以前からスポンサードサーチ結果を表示してきた(中略)それはかなりうまくこれに拡張できるものだが、今回のリリースでは何も新しいことはしていない」(Zuckerberg氏)
Graph Searchは15日、限定プレビュー版として提供開始された。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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