一方で政府では、一般用医薬品のネット販売を規制するために通常国会での薬事法を改正する方針だという。田村憲久厚生労働大臣も、1月10日、11日の会見で、「薬剤師による対面販売での安全確保」を優先した規制を薬事法に盛り込むとしている。
こうした動きについて後藤氏は、「ネットで安全に販売するには、判決で指摘された部分をしっかりした規定に作りさえすれば、省令の範囲で可能」と考えを語った上で、厚労省に対して「明日にでも省令を改正して欲しいと思っている」とした。
また代理人で弁護士の関葉子氏によると、今回の判決が勝訴した2社以外に効力が及ぶかというと、「及ばない」という回答が厳密な法解釈となるのだという。現在の行政訴訟は、抗告訴訟(公権力の行使に関する不服に対する行政訴訟。一般的な行政訴訟)のほかに当事者訴訟(当事者間の法律関係を確認する行政訴訟。性質としては民事訴訟に近い)という類型がある。今回の行政訴訟では、抗告訴訟に関しては一審で却下されており、当事者訴訟のみが認められた、つまりケンコーコムとウェルネットの2社に関してのみ省令が無効と判断されたということになる。
すでにヤフーや楽天が第一類、第二類のネット販売に関する発表をしているが、これが合法な販売とみなされるのかという課題も残る。政府としても、「省令が無効となるのは2社のみであり、ほかの業者には効力が及ぶ」という立場を取るとの報道も出ている。
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