中国最大の通信事業者であるChina Mobile(中国移動通信)の広報担当者は米国時間1月10日、Reutersの取材に対して、Appleの最高経営責任者(CEO)を務めるTim Cook氏がこの日の午前中にChina Mobileの本社を訪れたと語った。China Mobileの会長である奚国華氏と会談し、「提携問題」について協議するためだという。協議の内容や提携の可能性がある分野については明らかにされていない。
Cook氏は、8日に中国で中国工業情報化部の部長を務める苗圩氏と会談したことが分かっている。中国工業情報化部によれば、話題は移動通信やAppleの事業、技術業界全体が中心だったという。
Cook氏が訪中した主な目的がChina Mobileだったことは意外ではない。7億人を超える契約者を抱えるChina Mobileは、中国の移動体通信業界において重要な存在だ。Appleは現在のところ、China Mobileの顧客に「iPhone」を提供しておらず、China Unicom(中国聯合通信)とChina Telecom(中国電信)を通じてiPhoneを販売しているが、この両社は、China Mobileと比較すれば規模がかなり小さい。
China MobileのCEOである李躍氏によると、Appleとの協議は2009年から続いているが、China Mobileが「iPhone 4S」「iPhone 5」と互換性のないTD-SCDMAネットワークを採用していることが、提携する上で障害となっているという。この問題は克服可能だが、契約を結ぶ以前に、「ビジネスモデルと利益配分については、まださらなる協議が必要だ」とLi氏は述べている。
Li氏は、China Mobileがどういった形の「利益配分」を求めているのか詳しく説明しなかったが、Appleが「App Store」を通じてChina Mobileの顧客から受け取る売り上げの一部を求めていると噂されてきた。Appleはこれまで一度も、他の通信事業者とこうした契約を結んだことがない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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