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LINE、カカオトーク、comm--メッセージングサービスの覇権をめぐる各社の動向

岩本有平 (編集部)2012年12月28日 10時00分
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 2012年、IT業界で最も大きな話題になったのは、「ソーシャルゲーム」そして「メッセージングサービス」をだったのではないだろうか。ソーシャルゲームに関しては先日の記事で振り返ったので、ここではメッセージングサービスに関する動向を過去記事や追加取材で振り返っていく。

間もなく全世界ユーザー1億人を迎える「LINE」

 2011年6月のサービス開始以降、瞬く間にユーザーを拡大してきたのが、NHN Japanが提供する「LINE」だ。無料通話やテキストメッセメッセージ、スタンプ(絵文字)などを送りあえる。12月12日時点でユーザー数はグローバルで8500万人以上。ユーザーは5週間で1000万人ペースで増加しているという。

 2012年入って間もなくにPCやタブレット向けにサービスを開始したほか、連携アプリ「LINE Card」や「LINE camera」を公開。スタンプも課金モデルで提供を開始した。

「LINE」の公式カメラアプリ「LINE camera」のiPhone版を公開

LINEのスタンプ売上が単月3億円を突破

 そして7月にはプラットフォーム構想を打ち出し、「LINE Channel」を立ち上げる。プラットフォーム化に関する発表会では、すでにユーザー数世界4500万人を達成していると発表。4月末から開始した課金サービス「スタンプショップ」も6月末までの2カ月で3億5000万円を売り上げたと発表した。

LINEがプラットフォーム化を決めた3つの条件--「Facebookのような存在目指す」

 その後はプラットフォーム戦略にのっとり、LINEと連携するゲームなどを次々に公開。パズルゲームの「LINE POP」は、公開まもなく1000万ダウンロードを達成。またスタンプに関しては、続々新規IPと組むだけでなく、企業向けのスポンサードスタンプなども展開している。

LINE、企業スタンプを提供開始--第一弾は日清とローソン

LINEキャラが連載漫画とアニメ化--続けざまの企画で浸透狙う

 当初掲げていた2012年内1億ユーザーという数字に関しては、わずかながら達成が難しい状況ではあるものの、ユーザー数やプラットフォーム展開では他の追随を許さなかったLINE。直近でも一般ユーザーを対象にしたゲームコンテストや知育プラットフォームの展開など、全方位戦略はとどまるところを知らない状況だ。

韓国で人気の「カカオトーク」は“ヤフー連携”と“グループ通話”で勝負

 LINEが提供される1年前、2010年3月に韓国で産声を上げたメッセージングサービスがカカオトークだ。無料通話とテキスト、絵文字によるコミュニケーションを実現。無料通話ではボイスチェンジャー機能を備える。

 サービスを提供する韓国KAKAO Corporationの創業者は、ゲームポータル「ハンゲーム」を立ち上げた金範洙氏。2010年のサービス開始以降、韓国を中心にユーザーを拡大。現在は世界7000万ユーザーがサービスを利用する。韓国は有料のSMSが主流だったため、テキストメッセージで人気に火がついた。一方で音声通話に関しては、韓国の通信事業者が通信を遮断するなど、順調な船出とはいかなかったという。

 ユーザーは韓国に次いで米国、日本が多かったが、2011年7月に日本法人「カカオジャパン」を設立して日本進出を本格化。2012年10月にはヤフーとの資本業務提携を発表した。

ヤフーがカカオジャパンに資本参加--「カカオトーク」を共同展開

 その後11月には、日本先行で最大5人での同時通話機能を提供開始した。カカオジャパン代表取締役の朴且鎮氏は、「グループ」に特化した機能こそが、競合サービスの差別化の1つだと語る。今後は無料通話に加えて、カカオトークのトークルーム内でパートナー企業のアプリやウェブサービスの機能を使える「トークPlus」なども展開する予定だ。(編集部注:12月28日11時に「トークPlus」の提供が発表された)

カカオトークがYahoo!連携を開始--まずはファイナンス情報を配信

カカオトーク、日本先行公開で無料グループ通話機能を提供--最大5人で通話可能に

 韓国ではLINEに先駆けて連携するゲームアプリなども展開しており、現在韓国のApp Storeのゲームカテゴリでは、12月27日時点でランキング上位の10位中4タイトルがカカオトーク連携のゲームとなっている。日本でもAndroidからサービスを展開し、今後はiPhoneでの展開も進めるという。

DeNAの後発サービス「comm」は“通話品質”で勝負する

 ディー・エヌ・エー(DeNA)が10月発表した「comm」は、音声通話の高音質をうたうメッセージングサービスだ。

DeNAが無料メッセージサービスに参入--iOSとAndroid向けに「comm」を提供

 無料通話とメッセージング機能を備え、Facebookと連携して「実名登録」をうたったサービスを提供するも、「友人ではないユーザーに通話ができる」「退会処理ができない」といった不備や、規約の表現に対して一部ユーザーが反発。速やかに開発体制を強化し、規約も変更するといった対応に迫られた。

不安解消と品質向上を並行して進める--DeNAのスマートフォンアプリ「comm」

 これまで紹介した3社で最後発ということもあり、積極的なプロモーションを展開しているDeNA。サービス開始から1カ月もたたずに、テレビCMに関する記者発表会を開催。会場ではCMに出演する女優の吉高由里子さんが、「先週撮影して、2週間後に放送する」という急なペースに驚きのコメントを寄せていた。

DeNA守安社長、無料通話アプリ「comm」に手応え--CMも放送開始

comm開発者に聞く--世界中で使われる基盤づくりへの挑戦

 10億円規模とも言われるプロモーション戦略に次いで発表されたのは、スタンプの無料化だ。2012年内に配信予定の1000種類以上のスタンプをはじめ、有名人や漫画、アニメなどのキャラクタースタンプを無料で利用できるようにする。

DeNA、無料通話アプリ「comm」の全スタンプを無料化

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