LINE、カカオトーク、comm、この3つのサービスが話題に上がることが多いが、国内外のスタートアップも虎視眈々とその市場を狙っている。
スタートアップのNagisaが手掛ける「Ballon」は、テキストメッセージに加えて、音声を録音し、画像とともに送ることができる「しゃべるスタンプ」が特徴のサービスだ。
Nagisa、メッセージングサービス「Balloon」を刷新--音声つきスタンプの送信機能も
同社はNHN Japanやカカオジャパン、DeNAなどの競合と直接勝負するのではなく、「いかに差別化するか」に重きを置き、サービスを開発しているという。「LINEもcommも、たとえるなら日本人全員に使ってもらいたいという製品にしている。地域や年齢、性別などで(ターゲットを区切って)、徹底した差別化が必要」(Nagisa代表取締役社長横山佳幸氏)
試験的にドイツでプロモーションを実施したところ、12月4日にはドイツとオーストリアのApp Storeソーシャルメディアカテゴリで1位を達成した。フランスやスペイン、ブラジルでもユーザーの反応があるという。「(自社の戦略について)証明された。年明けにはスタンプマーケットを展開し、ヨーロッパ向けのローカライズも検討していく」(横山氏)
台湾発の気鋭メッセージングサービスが「Cubie Messenger」だ。
米500 startupsのインキュベーションプログラムにも参加している同社。3月のサービスインから1カ月で20万ダウンロードを記録。現在も台湾や香港、タイなどを中心として、アジア圏でサービスを拡大している。サービス開始当初から日本語もカバーしている。
無料通話機能こそ提供していないが、テキストメッセージやステッカー(スタンプ)に加えて、手書きの文字やイラストを描いて送る、“お絵かき”の機能を備えているのが特徴だ。
ユーザー数は11月末時点で約500万人、日本人のユーザーはまだ10万人ほどとユーザーの規模は大きくないが、「モバイルのニーズはまだまだ伸びているので機会はある」(Cubie CEOのYenwen Feng氏)と語る。
同社は前述の500 Startupsのほか、NTTインベストメント・パートナーズ、B DASH VENTURES、BIGLOBEキャピタル、gumi venturesから合計110万ドルの資金を調達しており、日米マーケットの拡大に積極的な姿勢を見せる。
NHN Japanは、台湾の通信会社VIBOと提携を発表しているが、Cubieでも今後はアジア圏での通信会社との提携なども視野に入れているという。さらに、イラスト機能を利用したアーティストのコンペティションなどを実施し、ユーザーの利用を促進させる。
LINEが「プラットフォーム化」を掲げる一方で、プラットフォーム事業者たちの参入も相次ぐ。前述のDeNA以外にも、サイバーエージェントが「DECOLINK」を準備しており、グリーはオーストラリア、ニュージーランド、インドに限定して「GREE messenger」を公開。ミクシィもアプリの提供は否定したが、メッセージング機能の強化を進めている。
サイバーエージェントの新規会員は1日4万人に--大規模プロモーションに確かな手応え
グリーが「GREE messenger」を公開--海外App StoreとGoogle Playで
「mixi メッセージ」リアルタイム機能が全ユーザーに拡大--単体アプリ提供予定なし
このほかにも、アジア圏で人気の「WeChat」や欧米を中心に展開する「WhatsApp」など数多くのサービスが展開されている。はたして2013年にその覇権を握るのはどのサービスなのだろうか。
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