12月17日~12月23日のAppleに関連するCNET Japan/ZDNet Japanのニュースをまとめた「今週のApple一気読み」。
1年間も早いもので、いよいよ最後の週になった。クリスマス休暇からホリデームード一色の米国、ニュースの数も減ってくるのではないか、と思う。2012年、Appleは「ポスト・ジョブズ」の体勢を試される1年で停滞感を感じる見方も少なくなかった。後に、さまざまな下地固めの期間だった──と振り返ることはできるだろうか。
それでは1週間のニュースを見ていこう。
2012年、テクノロジーニュースで最も注目されたテーマの1つに、AppleとSamsungの裁判があった。米国だけでなく日本を含む世界各地で特許侵害や販売差し止めなどを求めた裁判が繰り広げられており、2012年8月に米国カリフォルニア州の裁判で、Samsungの知財侵害を認め、10億5000万ドルという巨額の損害賠償の評決が下された。
Appleの主張は主にGalaxyシリーズがAppleが保有するスマートフォンの基本的な意匠、デザインを侵害しているという点。そしてSamsungの主張はこれに対する反論に加えて、AppleがSamsungが保有する無線通信技術に関する特許の侵害しているという主張だ。
その後、Samsungのスマートフォンに関して、米国での販売差し止め命令が下されるかに見えたが、裁判所は今週、Samsung製品の販売差し止め請求を棄却している。裁判で権利が認められた機能は一部であり、全ての製品を差し止めるべきではないとは、AppleとSamsungの裁判を担当していたLucy Koh判事のコメントだ。
一方、押収では別の動きが出ている。12月19日にSamsungが、特許侵害があるとして出していたApple製品の販売差し止め請求を取り下げた。「市場競争で争う」とはSamsungのコメントだ。この原因と見られるのが、12月21日の記事にある、EUによるSamsungへの異議告知書送付。EUは調査で、SamsungによるApple製品の販売差し止め請求の根拠が、独占禁止法の規則で禁止された支配的地位の乱用に当たるとの見解を示しているためだ。
米国でも2014年まで裁判の日程が組まれているこの問題。アイディアや知財は尊重されるべきである一方、いずれの企業のユーザーもメリットを損なわないかたちで帰結してくれることを望みたいところだ。
米裁判所、アップルによるサムスン製品の販売差止請求を却下(12月17日)中国でのiPhone 5人気は非常に勢いがある。1カ国で3日で200万台という数は、2012年9月にiPhone 5が発売された3日間の世界販売の500万台と比較しても驚くべき数字だ。iPhone 4Sの際には販売店で混乱があったことから、予約して受け取るという日本や米国とは少し違う、行列を作らない販売形式販売が取られている。
しかしこの数字にはまだまだポテンシャルが残されている。現在iPhone 5を扱っているキャリアはChina UnicomとChina Telecomの2つで、最大手のChina MobileはまだiPhoneを扱っていない。China Mobileのユーザー数は2012年11月の段階で7億人を越えており、他の2社を足したユーザー数の倍ととらえると良いだろう。つまり、単純に計算すると、iPhoneがChina Mobileにも提供されれば3日で200万台ではなく、400万台にもなっていたかも知れないと言うことだ。
ただし、技術的な問題がある。米国や日本でiPhone 5はCDMA2000・W-CDMAという2つの3G規格に加えて「4G LTE」に対応し高速通信が可能となっている。このLTE規格はFDD-LTEというものだ。中国が進めているのは3GはTD-SCDMA、LTEはTD-LTEという違った方式であり、iPhone 5はまだこの方式に対応していない。iPhoneがChina Mobileに対応するには、これらの3G、4Gに対応しなければならないことを意味している。
やるべきか?といわれたらYesだろうが、どのタイミングで実施するのかが注目だ。
中国で発売の「iPhone 5」、販売台数が発売3日で200万台に達する(12月17日)iPhoneユーザーにとって先週のビッグニュースは、Google MapsのiPhone版が登場し、早速週末の外出で試せたことだろう。新しい!スゴイ!というよりは「落ち着く」というのが筆者の感想だったが、最初の2日間で1000万ダウンロードを記録するというのも驚異的な数字と言える。
MoPubの調査によると、Google Mapsアプリがリリースされてからの3日間で、iOS 6のインストールが約30%伸びたとのこと。Appleの地図が、iPhoneのOSのアップデートを踏みとどまらせていたとすれば、AppleはGoogleに感謝すべきかもしれない。
また、プラットホーム争いは2013年も、Android、iOS、BlackBerryもしくはWindowsという構図が続くと見られる。プラットホームそのものの競争力は依然として強いAndroid陣営は端末の魅力ではiPhoneに劣る。
iPhone 5は米国市場で好調で、11月末までの3カ月間のシェアはAppleが53.3%と初めて半数を超え、今後も上昇が見込まれているという。Googleは買収したMotorolaとともに、「X Phone」と呼ばれる新端末を開発し、Appleと同様にOSとデバイスをより親和性高く提供しようと計画している。タブレットもスマートフォンも守りに入るAppleに、どんな攻めの一手が残されているかも興味深い。
「iOS」版の「Google Maps」、最初の2日間で1000万ダウンロードを達成(12月17日)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス