11月19日~11月25日のAppleに関連するCNET Japan/ZDNet Japanのニュースをまとめた「今週のApple一気読み」。
米国では感謝祭の休暇が明けた今週から年末商戦へと突入する。今シーズンのデジタルその他の売れ筋がどのような傾向で動いていくのか、注目が集まるところだ。商戦全体の傾向としては昨年よりも15%~20%ほど好調の様子。米国の足下の景気を占う意味もあり、デジタル製品のリリース計画にも影響を与えそうだ。
今週、感謝祭の休暇のタイミングで興味深い記事が出ている。記事には「Appleのインターネット関連サービス、ほとんどが混乱した状態」というタイトルが付けられている。お世辞にもこれまでのサービスがいいとは思えないが、iCloudのフォトストリームは筆者も便利に使っているサービスの一つだ。
記事中で、Safariを作るウェブブラウザチームを例外として位置づけているのは興味深いところだが、今後に向けた改善のアイデアとして、Twitterを買収して人材やノウハウを吸収すべきだとしている。個人的には、ウェブ技術に加えて、モバイルのコミュニケーションに関するノウハウを得るため、Foursquareもよいのではないか、と思う。
そんな記事を書かせるきっかけとなったかどうかは分からないが、週の初めにiMessageの障害が発生していた。これが感謝祭の、最も家族とのコミュニケーションが活発化する時期にかからなかったのは不幸中の幸いだが、夏以降から立て続けにメッセージの送受信ができない事態が起きているのは問題だ。これはAppleの他のウェブサービスとは違い、このサービスを提供している意味そのものを揺るがす、深刻な事態だと受け止めている。
iMessageはBlackBerryでいうところの「BlackBerry Messenger」に相当すると見ている。BlackBerry同士でメッセージをやりとりできる仕組みで、SMS課金を回避できる点で支持を得ている。それだけでなく、BlackBerryの市場支配力が低下する今も、依然として活発に利用されている「かすがい」のような役割を果たしている。iMessageの提供と利用促進はiOSプラットホームにユーザーを留める動機を作ることになる。信頼性が重要なサービスを止めることが何を意味するのか、想像に難くないはずだ。
Appleもウェブサービスが得意だとは受け止めていないように感じる。iTunesのソーシャル機能Pingは完全にTwitterとFacebookにリプレイスされた。またiOS 6でもTwitter、Facebookなどとの連携、YouTubeへの動画投稿、YelpやOpenTableなどのレストラン検索、MLBやNBLなどのスポーツのサービスなど、メジャーなウェブサービスとの連携を進めているからだ。そしてこの点は、自社で揃えつつあるGoogleとの違いを見つけられる点でもある。
一方で地図の問題。批判が大きい中で、自社サービスに切り替える点は、他のメジャーなサービスをOSに取り込む姿勢と明確な違いが見られる。今後OS Xにも搭載されるのではないか、という記事も出てきた。ノキアが新たに登場させた「HERE Maps」は、Appleの地図で省かれている歩行者用のナビゲーションも用意されているが、日本のユーザーにはAppleの地図以上に期待できない仕上がりだった。
「iMessage」でシステム障害--一部ユーザーの間でメッセージ送受信が不可能に(11月19日)引き続き、AppleとSamsungの訴訟の動きが続いている。ITCがAppleに有利な仮決定をしていたが、これを見直している。主にワイヤレス技術に関してだが、Samsungの幹部は同社の技術はAppleデバイスに必要不可欠であるとの発言をしている。また、Samsungの要求によって、AppleとHTCが合意に達したと言われる和解条件の開示を認める命令も出た。
こうした動きを継続的に見ている一方で、Samsungは携帯電話端末市場で支配的な台数を出荷し、GoogleとSamsungのコンビは確実にiPadの市場を侵食し続けている。Appleはこれらを守りたい、Samsungはより市場支配を強めたい、という意向は分かる。しかし、スマートフォンの機能や性能が特別向上したわけではないし、多少価格が下がったが、新たな体験を提供したかと言われると疑問符が飛ぶ。
ユーザーにとってメリットのある争いでなければ、あまり意味がない。この争いによって何が起きるのか、両者の口からもう少し説明をすべきでないか、と思う。
ITC、アップルに有利な仮決定を見直しへ--サムスン特許4件について(11月20日)iPad miniの分解写真がでているのでご興味のある方はぜひ。またiPhone 5は供給不足を改善しつつある。また昨年から指摘されているApple製のテレビについては、1年先との見解がアナリストから出た。その他、iPhoneとiPadの次期モデルに関しての報道もでている。iPhone、iPad miniなど特に競争が厳しい市場の製品については、iPadのように1年に2回のアップデートがある製品も増えてくるかもしれない。
分解、「iPad mini」--Wi-Fiモデルの内部ハードウェア(11月21日)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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