アップルのテレビ戦略--元幹部J・L・ガセー氏の主張から推測する - (page 2)

Dan Farber (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2012年12月13日 07時30分
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 GoogleとMicrosoftは独自の手法でテレビ体験の再発明に取り組むだろう。歴史を鑑みると、「iPod」や「iTunes」「iPhone」「iPad」が証明したように、Appleには、障害を克服し、それほど時代遅れでないテレビ視聴およびインタラクション体験を提供する、他社より優れたDNAが備わっている。はっきりしているのは、Jobs氏とCook氏、およびチーフデザイナーのJony Ive氏が、Appleが次に再発明すべき大型市場、すなわち次の黄金のつぼとなるのはテレビであると認識したことだ。そして、自らのエコシステムを発展させるために、テレビのように低価格で利幅の小さい製品を製造するという発想は、AppleのDNAに含まれていない。

 「AppleのCEOは、テレビの障害が最終的に克服されるまで、才能と資金の投入を続けることを示唆している。それは言い換えると、『Appleと手を組んで、競争を一掃する波に乗ろう』ということだ」(Gassée氏)

 まず、Appleはコンテンツプロバイダーとケーブルテレビ所有者に対し、彼らがAppleと協力して取り決めを交わせば、皆が長期的な利益を享受できるということを納得させなければならない。Pacific CrestのアナリストであるAndy Hargreaves氏は2012年8月のリサーチメモの中で、Appleのインターネットサービスおよびソフトウェア担当シニアバイスプレジデント(SVP)で、テレビ配信に関してエンターテインメント企業との交渉を担当しているEddy Cue氏のコメントについて書いた。

 Appleのインターネットソフトウェアおよびサービス担当SVPであるEddy Cue氏はテレビ市場に関して、同社は自らが素晴らしい顧客体験を作り出し、重要な問題に対処できると感じる市場に参入する、という同社の信念を繰り返し述べた。われわれの見解では、テレビ市場における重要な問題は、質の低いユーザーインターフェースと有料テレビコンテンツの強制的なバンドルだ。Appleがより優れたユーザーインターフェースを作成できることはほぼ間違いないが、Cue氏のコメントは、Appleが現状のマルチチャンネルの有料テレビモデルと異なる方法でコンテンツを提供できない限り、これがAppleから見て不完全なソリューションになることを示唆している。

 Appleと消費者にとって不幸なことに、現状のバンドルモデル以外の方法で、従来型の放送およびケーブルネットワークコンテンツの権利を取得するのは、ほぼ不可能だ。なぜなら、それらのコンテンツを所有しているのは、自らの非常に貴重なコンテンツを別のモデルで提供することにほとんど関心がない、比較的小規模な企業グループだからだ。地方ごとの放送コンテンツの違いと拡張性の欠如も国際的に大きな障害を作り出しており、現時点ではそれを乗り越えるのは不可能に思える。

 Appleのテレビへの取り組みにとって、テクノロジは前進を妨げる要素ではない。Appleは、セットトップボックスの特許、市場でまだ目新しい99ドルのApple TVボックス、多くの有能なエンジニアを有している。2013年、同社の専門家集団はテレビコンテンツおよび配信を掌握する人々に対し、現行モデルの凋落という必然的な事態はもはや避けられないこと、そして将来のために選択すべき最良の相手はAppleだということを納得させる作業に追われて、多忙を極めるだろう。

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この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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