Tim Cook氏はAppleについて話すとき、高揚した様子になる。Cook氏は先週行われたBloomberg BusinessweekのJosh Tyrangiel氏とのインタビューで、自分のことを「極めて責任感の強い」人だと思うか、との質問を受けて次のように答えた。
私はAppleを愛している。Appleは私の人生のかなり大きな部分を占めている。Appleが私の全人生だと言う人もいるかもしれない。私は、人生のかなり大きな部分と表現する。私はAppleに対して、愛情と責任の両方を感じている。この会社は宝石だと思う。Appleは世界で最も素晴らしい会社だと私は考えている。したがって、Appleがその潜在能力を最大限に発揮するためにできるあらゆることに、自分のすべてを捧げたいと考えている。
この14年間をAppleで過ごしたCook氏が公言する同社に対する愛情と献身は、莫大な数の顧客がAppleに抱く感情と同じだ。Appleを熱狂的に支持する集団があり、今はCook氏がその指導者だ。ただし同氏は、自分は忠実な支持者に尽くす栄誉を得たにすぎない、と謙虚に述べる。同氏はTyrangiel氏に次のように話した。
私は1日に数百件から数千件の電子メールを顧客から受信する。私からその話を聞いたほかの最高経営責任者(CEO)の多くは、まるで私に頭が3つあるかのように私を見る。メールを受け取れるのは名誉なことだ。家族の一員として、食卓に座っているようなものだ。そして、われわれは今後もそれを尊重し続けなければならない。
Cook氏はAppleを共同創設者から譲り受けた神聖な委託物であるかのように扱う。そして、同氏は自らの最新版のApple教義を共有するメディアキャンペーンに取り組んでいる。同氏はインタビューの中で、「これらの偉大な製品を生み出すとき、われわれは人々の生活を豊かなものにすることに注力する。それは製品に対する高邁な理想だ。これらは、Appleを牽引する非常に大きな要素である」と述べた。同氏はコメントの中で「I(私)」ではなく「We(われわれ)」という言葉を使った。それは、同氏が自分のことを、衝突よりも協力に大きな価値を見いだす、人前に出ることを好まない著名人と見なしていることの現れだ。
そしてCook氏は、Appleブランドに対する同氏の非常に強い愛着を共有する(信奉者のような)人々で自分の周りを固めたいと考えている。Cook氏は、AppleのデザインチーフでSteve Jobs氏の秘蔵っ子だったJony Ive氏との関係に話題が及んだとき、次のように述べた。
私はJonyが大好きだ。彼は素晴らしい男だ。私は彼に大きな尊敬の念を抱いている。何がわれわれを結びつけているのか。われわれはいずれもAppleを愛している。Appleが偉大なことをするのを望んでいる。同じ主義主張を信じている。われわれは複雑なことではなく、簡素なことを信じる。協力の価値を信じている。われわれはいずれも、Appleがここに存在しているのは世界一の製品を作るためだと考えている。したがって、われわれの価値観は全く同じだ。
簡素化を目指し、価値観を一致させる取り組みの一環として、ソフトウェアチーフのScott Forstall氏は退社を余儀なくされた。縄張り争いを引き起こす傾向が強いことが理由だった。Ive氏はハードウェア関連の職務に加えて、ソフトウェアデザインも引き受けた。
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