KDDIのCATV向けスマートテレビ、成否の鍵は?

 KDDIとジャパンケーブルネット(JCN)は11月28日、Android4.0搭載のセットトップボックス「Smart TV Box」をJCNのユーザー向けに提供開始した。サービス名称は「JCNスマートテレビ」で、従来の放送系コンテンツに加えて、アプリやネットコンテンツといったスマートテレビ機能も利用できる新たなサービスモデルとなる。

 Smart TV Boxは、地上デジタル放送、BS、CS多チャンネル放送などの放送受信に加え、動画を含む各種ネット系サービスや、テレビ向けアプリのダウンロードが可能な、ケーブルテレビ事業者向けのセットトップボックス(STB)。Wi-Fiアクセスポイントも搭載しており、タブレット端末やスマートフォンと連携したサービスも利用できる。

  • セットトップボックス「Smart TV Box」

 ユーザーインターフェイスはシンプルで、基本的にはHOME画面を起点としてリモコンの上下左右キー/決定ボタンで操作できる。検索は地上波、BSに有料多チャンネル、無料インターネット動画まで横断的に対象とし、キーワード入力などからシームレスに見たい番組を探し出すことができる。

 スマートフォン、タブレットとの連携は、文字入力(予測変換や音声認識)や検索などのリモコン操作ができる「アプリリモコン」、Smart TV Box内の動画やゲームなどをWi-Fi接続したスマートフォンやタブレットで楽しめる「コネクトプレイ」など。DLNAにも対応しており、録画した番組をスマートフォンで視聴できるほか、CS多チャンネルで放送中の番組を視聴することもできる。

 単体での録画機能は持たないが、増設可能な外付けHDDを別途用意(容量は1Tバイト/2Tバイト)。通常販売価格は1Tバイトが6930円、2Tバイトが9345円(ともにIODATA製)で、JCNでは2013年1月末までにサービス加入と同時に申し込むと3000円をキャッシュバックするキャンペーンを実施する。なお本体はRFトリプルチューナ搭載のため裏番組録画およびダブル録画が可能だ。

 端末やサービス画面は7月の「ケーブルコンベンション2012」や10月の「CEATEC JAPAN 2012」などですでに一般公開されており、その機能性や方向性が業界内でも話題を集めていた。Android4.0を搭載したケーブルテレビ向けSTBとしては世界初の商用化であり、JCNとの経営統合が予定されるジュピターテレコム(J:COM)をはじめとする他のケーブルテレビ事業者についても順次採用が検討されているという。

 サービスのポイントとなるアプリは、「auスマートパス」を中心にKDDIが用意するアプリが100本以上、「Google Play」からも200本以上が利用できる。KDDIからのアプリはゲーム系が圧倒的多数の印象だが、学習系や料理・健康など生活系も幅広く用意している。

  • 左からKDDIの髙橋氏、アンドロイドのコスチュームで登場した松平健さん、JCNの藤本氏

 「このマシンのためだけにアプリを用意していたのでは間に合わないが、Androidであれば世界中からアプリが集まってくる」(KDDI代表取締役執行役員専務・髙橋誠氏)と、今後も利用可能アプリは随時増強される見通しだ。

 JCN代表取締役社長の藤本勇治氏は、同日に開かれた記者発表会で「米国ではすでにスマートテレビがブレイクしており、日本にも必ずその潮流がくる。インターネットの世界を家庭用テレビで体験していただくことで、お茶の間を変える決意をもって推進する」と力強く宣言。また大手通信キャリアであるKDDIとの関係性を活かし、スマートテレビの分野において「他社が追随できないサービスを実現する」とした。

 JCNにおける料金設定は、地デジ、BS、CS多チャンネルと下り100Mbpsのインターネット回線をセットにした「スマートマックス」が月額9450円。これに専用のリモコンアプリ搭載タブレット(NECの「Life Touch L」をベースとした専用カスタマイズ端末)をつけた「スマートマックスwithタブレット」が月額1万1025円(当初2年間のみ。期間経過後は自動で通常プランに移行)となっている。また、それぞれJCN電話(ケーブルプラス電話)が実質525円の追加月額利用料で利用できる。

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