MozillaのエンジニアリングマネージャーBenjamin Smedberg氏が、64ビット版「Windows」で実行できるように最適化された「Firefox」のナイトリービルドを中止するよう開発者に求めた。
Smedberg氏は米国時間11月17日、「Google Groups」の掲示板「mozilla.dev.apps.firefox」に「Turning off win64 builds(win64ビルド停止)」という開発者スレッドを立てて、開発停止を提案した。
Smedberg氏は64ビット版Firefoxについて、「常に誤解とフラストレーションのもと」になっていると述べ、このビルドはたびたびクラッシュし、多くのプラグインは64ビット版で利用できない、コードがないためにプラグインが正常に動作せず、ハングアップが発生しやすい、と記した。さらにSmedberg氏によれば、このためユーザーが「二流品」と感じるようになっており、安定化を担当するチームにとっては32ビット版と64ビット版のクラッシュレポートを見分けるのが難しくなっているという。
ユーザーは64ビット版Windowsで32ビット版のFirefoxを引き続き実行できる。
Smedberg氏は当初、この提案が議論を呼ぶようなら当面は棚上げにするつもりでいたようだが、その後、棚上げにする考え自体を棚上げにして次のように述べた。
このスレッドに参加してくれた皆さんにお礼を申し上げる。これまでの情報を考慮し、Windows向け64ビット版のナイトリービルドとアワリービルドの開発中止を進めることにした。お知らせすべき重要な情報が新たに出てくるまで、この議論は打ち切りにさせてほしい。
その後Smedberg氏は、Bugzillaに「Disable windows 64 builds(windows 64ビルドの中止)」というスレッドを立て、「windows(原文のまま)64ビルドの開発とテストを中止」するよう開発者に求めた。これには、Windows向け64ビット版のナイトリービルドを中止すること、Windows向け64ビット版ナイトリービルドの既存ユーザーを32ビット版ビルドにカスタムアップデートを使用して戻すこと、という指示も含まれている。
ある投稿者はナイトリービルドのテスターの50%が64ビット版システムを使用しているとコメントしたが、Windows向け64ビット版Firefoxがこれまで正式にリリースされたことはない。おそらくこれを理由として、Smedberg氏は論争になるのを避けるため、次のように述べている。「この決定はすでに下されたものであり、議論する段階ではない」
編集部注(2012年11月26日18時):この記事のタイトルは、当初『モジラ、Windows向け64ビット版「Firefox」の開発を中止』としていましたが、誤解を与えたため修正しました。FirefoxのWindows64ビット版の今後がどうなるか、より詳細な記事を掲載しましたのでこちらをご覧ください。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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