サムスン電子は、非公開とされていたAppleとHTC和解契約の詳細を知ることができるようになる。米国時間11月21日にカリフォルニア州の判事が判決を下した。
21日午前中にSingh Grewal判事によって命じられた緊急のヒアリングの後、サムスン側の弁護士たちに対して、AppleとHTCの間で11月初めに成立した和解に関して、非公開であったその内容を閲覧する許可が与えられた。
11月10日に発表された和解により、AppleとHTCの間で係争中だったすべての訴訟が取り下げられた。Appleとサムスンの間にも最終的に同様の和解が成立すると考えている人々も多いものの、韓国の大手電子機器メーカーであるサムスン電子の関係者による最近の発言から判断すると、和解交渉が行われることすら論外だと思われる。
サムスンは16日に、裁判所に書類を提出し、AppleとHTCの間で結ばれた特許ライセンス契約の写しを提出するようAppleに求めていた。サムスンは特にこの書類のなかで、同社とAppleの訴訟で対象となっている特許と何らかの重複があるかもしれないため、どの特許が和解条件に含まれるのかを確認したいと述べていた。こういった特許には、「バウンスバック」機能に関する米国特許'318号や、スクロールおよびズームに関する米国特許'915号などが含まれている。
サムスン側の弁護士の1人は、裁判所に提出した書類のなかで、「この特許ライセンス契約は、回復不能の損害という問題や、金銭的賠償が妥当かどうかという点に直接影響するものだ」と述べていた。
Appleは20日に裁判所に提出した書面のなかで、HTCとともに和解内容をサムスン側の弁護士に開示する用意があると述べていた。ただし、特許使用料を含む多数の詳細を編集したうえで、弁護士に対してのみ開示するという条件が付けられていた。
Grewal判事は21日午後に下した裁定のなかで、弁護士に対してのみ開示される文書をAppleとHTCが大幅に編集することは許されないと述べた。
Appleとサムスンの間で争われてきたこの訴訟では、多くのサードパーティーとのライセンス契約における金銭面での部外秘の条件が両社の争いに明らかに関連するという理由で、弁護士のみへの開示という但し書きつきではあるものの、金銭面での条件に手を加えることなしにこういったライセンス契約が開示されてきている。HTCは保全命令の一般的な有効性と、サムスンの外部弁護士としての職業倫理を認めたため、特別な扱いを要求できる立場にはないと言える。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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