韓国の大手電子機器メーカーであるサムスン電子は、特許をめぐるAppleとの争いのうち、少なくとも1件については2度目のチャンスを手にできそうだ。
米国際貿易委員会(ITC)は米国時間11月19日、サムスンが2011年に提訴した特許侵害訴訟において、行政法審判官によって2012年9月に下されていたApple有利の仮決定を見直すと発表した。
19日午後に公開されたPDFファイル(本件はBloombergによって先に報道されている)によると、ITCは9月の仮決定「全体」を見直す予定だという。
念のために述べておくが、今回の見直しは本質的に、仮決定を覆すものではなく、手続き上のものという位置付けになっている。どのような仮決定であっても、裁定は最終的にITC委員6人全員の承認が必要となる。とは言うものの、今回の見直しがサムスンに有利なものとなる可能性もある。
サムスンは当初2011年6月に、「iPhone」や「iPad」を製造販売しているAppleがサムスンの所有する5件の特許を侵害しているとして、Appleを相手取って提訴していた。サムスンはその後、MP3楽曲トラックの取り扱い技術に関して2005年に取得した特許を除外したため、争いは以下の4件の特許に絞り込まれた。Appleによる特許侵害が認められないという判断をITCが下していたこれら4件の特許は、以下の通りである。
7706348 -- CDMAワイヤレス技術の特許
7486644 -- ワイヤレス機器におけるパケット伝送に関する特許
6771980 -- スマートフォンの電話番号入力に関する特許
7450114 -- デジタルドキュメントの特許
ITCによって扱われている今回の訴訟は、Appleとサムスンとの間に見られる大きな対立の一部であり、両社は世界中で法廷闘争を繰り広げている。これまでで最大の法廷闘争はおそらく、カリフォルニア州サンノゼの連邦裁判所で8月に評決が下されたものだろう。その評決はAppleに有利なものであったが、まだ完全に決着がついたわけではない。両社は12月初めにカリフォルニア州の裁判所で再び顔を合わせ、終局差し止め命令と、サムスンによる再審請求をめぐって争うことになっている。
ここ数年、ITCへの申し立てによって紛争を解決しようとするテクノロジ企業がますます増加している。企業は民事訴訟を起こす一方でITCに申し立てを行うことができ、製品の輸入禁止措置に対するおそれを相手企業に抱かせることで、より早い和解を導き出せる場合がしばしばある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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