NTTドコモは11月16日、LTEサービス「Xi」に関する説明会を開催し、今後の取り組みなどについて説明した。なお、ドコモは同日より1.5GHz帯を使用した受信時最大100Mbpsの高速通信サービスを、全国10都市の一部地域で開始している。
NTTドコモ代表取締役副社長の岩﨑文夫氏は冒頭、11月14日に発生したspモードの通信障害について謝罪。spモードを管理する側のネットワーク装置を増設した際に、設定に漏れがあったことが原因で、最大270万人に影響が出たという。岩崎氏は、2011年から相次いで発生した一連の通信障害を受け対策を進めてきたが、再び障害を起こしたことで顧客に迷惑をかけたと謝罪し、再発防止に全力を注ぐとした。
続いてXiのエリア展開について説明。2012年度末に人口カバー率75%を実現し、Xi対応基地局を2万3000局設置する予定だという。さらに11月16日には、2GHz帯に加え1.5GHz帯にも対応したスマートフォン「GALAXY NOTE II SC-02E」「Xperia AX SO-01E」の2機種を発売。下り最大100MbpsのXiサービスを開始するなど、他社に先駆けてLTEの高速化に取り組んでいると強調した。
ドコモが所有する1.5GHz帯は、2014年までは東名阪と九州で利用できる帯域に制限がある。そのためサービス開始当初は、新潟県新潟市など7県10カ所での利用にとどまるが、2013年春には帯域制限のある地域以外の道県、全国50カ所にサービスを拡大したいとしている。
一方、新潟市での通信速度測定結果は、平均で下り78Mbps、上り21Mbpsを実現するなど100Mbps化の効果を示しており、2012年度内に下り112.5Mbpsを実現するLTEの“カテゴリ4”に対応した端末を投入することで、さらなる高速化を実現したいとしている。
また、都市部で顕著になっているトラフィックの上昇にともなうスループットの低下に対する対策も進められているという。東京23区では11月時点で、5月に比べてXiのトラフィックが1.8倍に増えたのに対し、FOMAは0.9倍と低下していることから、空きができたFOMAの帯域をXiにシフトして、下り最大75Mbpsの通信速度を実現した。
同時に通信容量を広げる取り組みを進めており、2012年度末には全国で4000カ所、東京23区で700カ所の基地局を75Mbpsに対応させる予定だ。さらに今後の状況に応じて、東名阪などでも利用可能な5MHz分の1.5GHz帯を、混雑対策に当てる可能性も示唆した。
そのほか、山手線周辺における利用可能率の向上や、全国2200カ所の主要集客施設での屋内対応、空港や新幹線での接続エリアの拡充などによって、Xiを利用できる場所が順調に拡大しているとアピール。高いスループットを実現する上で重要となるエリア密度においても、東京23区で他社の1.8倍の基地局を設置するほか、主要都市部でも他社より多い基地局を設置していると説明した。
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