ドコモではさらに高いスループットを実現するため、利用者数に応じてセクタ数の多い基地局を設置する。またトラフィックが多い場所や不感知エリアにはリモート基地局を設置し、小規模施設には新たに開発したLTE対応フェムトセルを設置するなど、場面に応じて対応していくとした。
岩﨑氏は最後に、「人口カバー率」「実人口カバー率」など、キャリア各社がそれぞれの呼び名で数字を提示しているエリアカバー率について説明。平成の大合併により“市役所”だけでなく“支所”を持つ市が全国45%にまで増えたが、人口カバー率では支所をカバーしないとそのエリアのカバー率が0とみなされ、値が低く出てしまうとのこと。それゆえ実人口カバー率で計算すればドコモはほぼ100%に近く、他社より広いエリアをカバーしていると説明した。
続いて、ドコモ取締役常務執行役員 研究開発センター所長の尾上誠蔵氏が、LTEの技術開発の取り組みについて説明した。尾上氏は、LTEはドコモが2004年に提案した「Super 3G」のコンセプトがベースとなっていることや、ドコモが他社に先駆けてXiを開始したことなどで、LTEの普及をけん引してきたとアピール。携帯電話システムの標準化団体である3GPPへの提案や保有するLTE技術の特許についても、通信事業者として最多だと説明する。
またドコモが導入、あるいは導入に向けて取り組んでいるLTEの技術について解説。3Gからのハンドオーバー時に欠落したデータをLTE側の基地局に転送する「データフォアリング」や、基地局と交換機を多重に接続し、機器故障時もサービスを継続できる「S1-Flex」、3G回線を検索するタイミングを減らすことでLTEの通信時間を確保し、スループットを向上させる技術などを紹介した。
尾上氏は最後に、LTEを発展させた「LTE-Advanced」について説明。LTE-Advancedでは不連続の周波数帯域をまとめて最大100MHz幅にすることで、スペック上は最大で3Gbpsの伝送速度を実現できるとしている。今後は、LTE-Advanced以降の規格開発や、さらなるトラフィック増への対策にも取り組んでいきたいとした。
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